重度歯周炎の病因論:ヘルペスウイルスにフォーカスして

Polymerase Chain Reaction(PCR)法の開発によりヘルペスウイルスと歯周炎の関与についての研究には顕著な発展が見られた.重度歯周炎の病因には,活動性ヘルペスウイルス,特定の病原性細菌および破壊的な免疫応答が挙げられるが,ヘルペスウイルスが主な病原性決定因子と推測することができる.歯周ヘルペスウイルスは,全身循環系に入り込み,さまざまな臓器において疾患の発症に影響を及ぼす可能性がある.ヘルペスウイルスと病原性細菌の両者を標的とする歯周治療は,長期の臨床的改善をもたらし,全身性疾患のリスクを潜在的に減らすことができると考えられる.この論文は,ヘルペスウイルスの基本的な特徴,...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本ヘルスケア歯科学会誌 2021, Vol.22(1), pp.40-45
1. Verfasser: 足本, 敦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:Polymerase Chain Reaction(PCR)法の開発によりヘルペスウイルスと歯周炎の関与についての研究には顕著な発展が見られた.重度歯周炎の病因には,活動性ヘルペスウイルス,特定の病原性細菌および破壊的な免疫応答が挙げられるが,ヘルペスウイルスが主な病原性決定因子と推測することができる.歯周ヘルペスウイルスは,全身循環系に入り込み,さまざまな臓器において疾患の発症に影響を及ぼす可能性がある.ヘルペスウイルスと病原性細菌の両者を標的とする歯周治療は,長期の臨床的改善をもたらし,全身性疾患のリスクを潜在的に減らすことができると考えられる.この論文は,ヘルペスウイルスの基本的な特徴,およびヘルペスウイルスと細菌の重複感染と歯周炎との関係を明らかにする.歯周ヘルペスウイルスに関する知識は歯周病学の科学と実践における転換点となるだろう.
ISSN:2187-1760
2436-7311
DOI:10.51066/jhcda.22.1_40