がん患者の呼吸困難に対するマッサージ : スコーピングレビュー

「要旨」【目的】本研究では, がん患者の呼吸困難に対するマッサージについて報告されている論文を体系的に記述し, まとめることを目的とした. 【方法】PRISMA-ScRの方法論に則り, スコーピングレビューを行った. 検索については, 電子データベースである医中誌WebとPubMedを用いて, 2021年6月18日までの期間に発表された論文に限定した. 検索ワードは, 「がん」「呼吸困難」「マッサージ」とした. 文献の選定は, 一次スクリーニングとして, 検索で得られた全ての論文について, 2名の著者が選定基準をもとにタイトルと抄録を評価した. 次に, 一次スクリーニングで得られた全ての文献を...

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Veröffentlicht in:兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 2022-03, Vol.29, p.47-55
Hauptverfasser: 小見山岬, 野口麻衣子, 清原花, 浅田裕美, 角甲純, 川崎優子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」【目的】本研究では, がん患者の呼吸困難に対するマッサージについて報告されている論文を体系的に記述し, まとめることを目的とした. 【方法】PRISMA-ScRの方法論に則り, スコーピングレビューを行った. 検索については, 電子データベースである医中誌WebとPubMedを用いて, 2021年6月18日までの期間に発表された論文に限定した. 検索ワードは, 「がん」「呼吸困難」「マッサージ」とした. 文献の選定は, 一次スクリーニングとして, 検索で得られた全ての論文について, 2名の著者が選定基準をもとにタイトルと抄録を評価した. 次に, 一次スクリーニングで得られた全ての文献を取り寄せ, 二次スクリーニングとして同じ2名の著者が全文のスクリーニングを行い, 採用論文を確定した. 採用された論文から, 著者, 出版年, 報告された国名, 論文の種類, 対象者数, 介入方法, 介入の実施者の情報についてデータを抽出し, 分類を行った. 【結果】42件の文献を対象にスクリーニングを行い, 最終的に6件の文献を採用した. 採用文献の概要について, 投稿された国別では, 6件中3本が日本からの投稿であった. 研究デザインでは, 無作為化比較試験と非無作為化クロスオーバー試験がそれぞれ2件であった. 全ての文献が介入研究であり, 対象人数は合計464名であった. 介入については, フットリフレクソロジーが2件と最多で, 介入者について記載のあった文献のうち, 4件はリフレクソロジストやアロマセラピストの資格を有するものが実施していた. 【結論】がん患者が体験する呼吸困難に対するマッサージについて報告された論文を体系的にまとめた結果, がん患者の呼吸困難の改善を目的としてマッサージを行っている文献が少ないこと, 呼吸困難の緩和に対するマッサージにおいて, 方法論は確立されていないこと, が明らかとなった. 今後は, がん患者の呼吸困難に対する適用可能性の高いマッサージ方法の確立が課題である.
ISSN:1881-6592