地域看護学教員が参加したルーブリックモデレーションワークショップのプロセス評価

「要旨」【目的】筆者らは保健師の地区活動を学習する演習教材を作成し, 演習の評価ツールを開発中である. そこで, 演習でのパフォーマンス評価の比較可能性を高めることを目的に, モデレーションワークショップを開催した. 本報告では, このワークショップの展開プロセスと参加教員への影響を明らかにし, 地域看護学教員のファカルティディベロプメント検討の一助とすることを目的とする. 【方法】ワークショップの参加者は, 地域看護学教育の自主勉強会に所属するものの中から, 大学で地域看護学教育を専任し, 演習指導に直接かかわっている者とし, 自由意志による参加を求めた. 事前に, 演習教材と課題を送付し課...

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Veröffentlicht in:兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 2018-03, Vol.25, p.31-40
Hauptverfasser: 牛尾裕子, 宮芝智子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」【目的】筆者らは保健師の地区活動を学習する演習教材を作成し, 演習の評価ツールを開発中である. そこで, 演習でのパフォーマンス評価の比較可能性を高めることを目的に, モデレーションワークショップを開催した. 本報告では, このワークショップの展開プロセスと参加教員への影響を明らかにし, 地域看護学教員のファカルティディベロプメント検討の一助とすることを目的とする. 【方法】ワークショップの参加者は, 地域看護学教育の自主勉強会に所属するものの中から, 大学で地域看護学教育を専任し, 演習指導に直接かかわっている者とし, 自由意志による参加を求めた. 事前に, 演習教材と課題を送付し課題内容を把握の上, 参加してもらった. 当日の流れは, (1)演習の説明, (2)作品例の採点, (3)グループ毎の採点結果と理由の共有, (4)全体での意見交換であった. グループ討議と全体討議での参加者の発言内容を分析した. 本研究は, 兵庫県立大学看護学部・地域ケア研究所研究倫理委員会の審査を受け, 承認を得てから実施した. 【結果】参加者は10大学13名で, 教授5名, 准教授・講師5名, 助教3名であった. 地域看護学教育経験年数は13名中10名が10年以上であった. ワークショップ終了時の意見交換では, 自らの判断基準のあいまいさへの気付き, 自らの判断基準の客観視, 演習プロセスにおいて, 学習目標を学生と共有する重要性の気付き, 評価方法を見直す必要性への気づきなどが語られた. 【考察】ルーブリックモデレーションプロセスへの参加は, 参加教員にとって自らの評価能力, 教育方法を振り返る機会となっていた. 本ワークショップの手法は, 保健師基礎教育において, 応用し統合する実践能力を育成する教育のための教員研修プログラムとして発展できる可能性が示唆された.
ISSN:1881-6592