在宅領域における看護職・介護職の感染予防対策の実施状況

「要旨」 現代医療において在宅医療は急速にその比重が増大してきているが, わが国にはいまだ在宅医療における感染制御についてのガイドラインは存在しない. 在宅領域における看護職・介護職の感染予防対策に関する意識および実施状況を明らかにすることを目的とした. 調査対象は東京都の介護保険事業所を系統抽出法により抽出した48箇所の事業所に勤務する看護職・介護職である. 自記式質問紙237部を郵送法を用いて, 2013年5月~8月に配布・回収を行った. 調査項目は, 感染予防対策に関する意識と実施状況である. 本研究は千里金蘭大学疫学研究倫理審査委員会の承認を得て実施した. 45件(19.0%)の回...

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Veröffentlicht in:兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 2016-03, Vol.23, p.141-150
Hauptverfasser: 九津見雅美, 内海桃絵
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 現代医療において在宅医療は急速にその比重が増大してきているが, わが国にはいまだ在宅医療における感染制御についてのガイドラインは存在しない. 在宅領域における看護職・介護職の感染予防対策に関する意識および実施状況を明らかにすることを目的とした. 調査対象は東京都の介護保険事業所を系統抽出法により抽出した48箇所の事業所に勤務する看護職・介護職である. 自記式質問紙237部を郵送法を用いて, 2013年5月~8月に配布・回収を行った. 調査項目は, 感染予防対策に関する意識と実施状況である. 本研究は千里金蘭大学疫学研究倫理審査委員会の承認を得て実施した. 45件(19.0%)の回収があり, そのうち看護職23人と介護職17人による回答を分析対象とした. 看護職・介護職ともに9割以上が感染対策の重要性を感じていた. 感染に関する知識は介護職がもっていないと回答した割合が看護職より高く有意差がみられた. 感染対策について知識を深める機会や相談先として介護職は看護職をあげる者がいた. 手洗いの実施状況については職種間の有意差は見られなかったが, カルテを触った後や利用者周辺の環境に触れた後, 患者一人ごとの検温後において手洗いの実施頻度は低かった. 看護職においてリキャップについて尋ねたところ, 「いつもリキャップする」「リキャップする時がある」割合は約9割であった. 手洗いの適切なタイミングやリキャップに関する知識の普及の必要性が確認された. 看護職は介護職に対して教育的立場にあることが推察されたことから, 正しい感染予防対策の知識を集積し, 現場に還元できるよう研鑽するための教育機会が得やすいような環境整備が求められる.
ISSN:1881-6592