2型糖尿病患者の末梢動脈疾患を予防するために身体理解を促すケアの検討

「要旨」 【目的】 糖尿病患者を対象に, 動脈硬化症により血流障害が生じる身体についての理解を促すケアを実践し, その効果を明らかにする. 【方法】 2型糖尿病患者5名を対象に, フットケアを用いた「糖尿病患者の動脈硬化による下肢血流障害予防のために身体理解を促すケア」の実践を行った. 実践した内容及び患者の反応から患者の身体理解を探索的記述的に分析し, ケアの効果を検討した. 【結果】 患者はフットケアを通して, 「足を見ることに慣れる」「感じる」「足を通して生活を考える」という仕方で身体理解をしていた. また, 動脈硬化症による血流障害は, 患者自身が自覚症状として感じていない血管内の変化...

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Veröffentlicht in:兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 2013-03, Vol.20, p.85-97
1. Verfasser: 片岡千明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 【目的】 糖尿病患者を対象に, 動脈硬化症により血流障害が生じる身体についての理解を促すケアを実践し, その効果を明らかにする. 【方法】 2型糖尿病患者5名を対象に, フットケアを用いた「糖尿病患者の動脈硬化による下肢血流障害予防のために身体理解を促すケア」の実践を行った. 実践した内容及び患者の反応から患者の身体理解を探索的記述的に分析し, ケアの効果を検討した. 【結果】 患者はフットケアを通して, 「足を見ることに慣れる」「感じる」「足を通して生活を考える」という仕方で身体理解をしていた. また, 動脈硬化症による血流障害は, 患者自身が自覚症状として感じていない血管内の変化であったが患者は, 「血管を体感する」ことができた. 患者にとって「自分の身体がわかる」ことは, 身体への不安や安心, 興味が引き起こされ, 「生活状況を捉えなおす」ことにつながっていた. 【考察】 動脈硬化症による下肢血流障害への身体理解では, 患者が身体をみることに慣れ, 自らの内部感覚への集中力を高め, 身体を感じるプロセスが必要である. また, 障害された部分だけでなく, 健康な部分を感じ取れるよう支援することが, 自分の身体にあった新たな対処法を決定するために重要である.
ISSN:1881-6592