介護経験者の健康統制観の相違に関する研究 - 日本と中国の比較調査
「要旨」 【目的】 本研究の目的は, 異文化看護の視点で日本と中国では文化的背景の違いから健康統制観も違うという仮説に基づき, ヘルスローカス・オブ・コントロール(以下HLC)の日本と中国の相違及び過去の調査との相違を明らかにすることである. 【対象】 研究対象は日本(関西地区)10ヵ所, 中国(南部)3ヵ所の医療機関に入院している患者の家族計255名. 【方法】 堀毛(1991)が開発したHLC(健康の統制に関する考え方, SHLC神様, CHLC運命, IHLC自分自身, FHLC家族, PHLC専門家)5次元25項目尺度を用いて, 質問紙法で調査した. 分析方法は「SPSS19.0J」を...
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Veröffentlicht in: | 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 2013-03, Vol.20, p.29-40 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」 【目的】 本研究の目的は, 異文化看護の視点で日本と中国では文化的背景の違いから健康統制観も違うという仮説に基づき, ヘルスローカス・オブ・コントロール(以下HLC)の日本と中国の相違及び過去の調査との相違を明らかにすることである. 【対象】 研究対象は日本(関西地区)10ヵ所, 中国(南部)3ヵ所の医療機関に入院している患者の家族計255名. 【方法】 堀毛(1991)が開発したHLC(健康の統制に関する考え方, SHLC神様, CHLC運命, IHLC自分自身, FHLC家族, PHLC専門家)5次元25項目尺度を用いて, 質問紙法で調査した. 分析方法は「SPSS19.0J」を用い, 日本と中国の違いを過去のデータと比較した. 【結果】 日本102名と中国153名の結果は, HLCに関して, 中国では, 最も点数が高かったのは, 「SHLC」23.8(±4.7), その次に「CHLC」20.0(±4.3), 「PHLC」15.5(±4.5), 「FHLC」14.3(±3.6)の順であり, 最も点数が低かったのは「IHLC」12.3(±3.9)であった. 日本では, 最も点数が高かったのは, 「IHLC」22.3(±3.0)であり, その次に「FHLC」21.9(±4.1), 「PHLC」18.5(±3.9), 「CHLC」15.7(±4.4)の順であり, 最も点数が低かったのは「SHLC」14.4(±4.5)であった. 先行研究(1995年, 2005年)との比較も同様な結果であった【考察】 中国では病気や健康に関して, その統制の所在が運命や神仏等の超自然的なものにあると考える傾向が強く日本では自分自身にあると考える傾向が強いことは, 健康統制観の背景として文化的背景の違いが考えられる. 【結論】 日本と中国の介護経験者の健康統制観には違いがあり, 文化的背景要因は時が経過しても変わらないことが明らかになった. 文化的背景要因を考慮した健康教育の展開が重要であることが示唆された. |
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ISSN: | 1881-6592 |