第59回日本児童青年精神医学会総会特集 (III) テーマ : こころの発達を支える - 素質と環境との相互作用の中で - シンポジウム11 「児童精神医学と脳科学」 司会の言葉
現代の医療は, エビデンスに基づいた医学(Evidence based medicine: EBM)が常識である(Djulbegovic and Guyatt, 2017). 精神科医療に関しても医療の一分野であれば臨床判断においてEBMを採用しない理由はなく, 採用しないのであれば相応の理由を提示する必要があるであろう. 臨床判断においてEBMを前提とすると, 疾患診断と治療法の利益・不利益に関して, 精神科医がプロフェッショナルとして持つべき知識は, 科学的な手続きを経て公表されたエビデンスだと考えられる. 精神医学とは, 正常な脳機能を前提にした異常な脳機能(疾患診断)及び, 異常を正常...
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Veröffentlicht in: | 児童青年精神医学とその近接領域 2019-11, Vol.60 (5), p.595-596 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 現代の医療は, エビデンスに基づいた医学(Evidence based medicine: EBM)が常識である(Djulbegovic and Guyatt, 2017). 精神科医療に関しても医療の一分野であれば臨床判断においてEBMを採用しない理由はなく, 採用しないのであれば相応の理由を提示する必要があるであろう. 臨床判断においてEBMを前提とすると, 疾患診断と治療法の利益・不利益に関して, 精神科医がプロフェッショナルとして持つべき知識は, 科学的な手続きを経て公表されたエビデンスだと考えられる. 精神医学とは, 正常な脳機能を前提にした異常な脳機能(疾患診断)及び, 異常を正常化する方法(治療法)を探求する学問である. 児童精神医学は精神医学の範疇にあり, 学問の基本は成人期以降の精神医学と変わらない. しかし, 児童精神医学は発達という軸を持つ点が特殊だと言える(桑原ら, 2014). |
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ISSN: | 0289-0968 |