自閉スペクトラム症と併存障害

自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder : ASD) は, 対人相互性の障害と限局した関心, 行動, 活動によって診断される神経発達症であるが, これら中核障害に対する薬物療法はいまだ存在していない. しかし, ASDには多動-衝動性, 不注意, 易刺激性, 常同性の固執などの関連症状, あるいは, Attention Deficit / Hyperactivity Disorder (ADHD), 限局性学習症, 知的障害, トゥレット症, てんかん, 気分障害, 不安症, 睡眠障害などの併存障害があり, これらの関連症状に対して薬物療法は有効であることが報告...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:児童青年精神医学とその近接領域 2018/02/01, Vol.59(1), pp.44-46
1. Verfasser: 岡田, 俊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder : ASD) は, 対人相互性の障害と限局した関心, 行動, 活動によって診断される神経発達症であるが, これら中核障害に対する薬物療法はいまだ存在していない. しかし, ASDには多動-衝動性, 不注意, 易刺激性, 常同性の固執などの関連症状, あるいは, Attention Deficit / Hyperactivity Disorder (ADHD), 限局性学習症, 知的障害, トゥレット症, てんかん, 気分障害, 不安症, 睡眠障害などの併存障害があり, これらの関連症状に対して薬物療法は有効であることが報告されている. ASDの薬物療法は, 統制群を欠き, 少数例に対する投与で有効性が示唆された薬剤が, プラセボ対照二重盲検試験で有効性を否定される歴史を繰り返してきた. また, 薬物療法の標的を明確にせず, 鎮静を主眼とした薬物療法が行われることへの批判も強かった.
ISSN:0289-0968
2424-1652
DOI:10.20615/jscap.59.1_44