ゲッチンゲンミニブタの眼科的背景所見

雌雄各12例のゲッチンゲンミニブタを3から14か月齢にかけて定期的に臨床眼科学的に検査し、眼球の背景所見を評価した。目視検査で虹彩の不均一な色素分布が、また、倒像検眼鏡検査及び細隙灯検眼鏡検査で、瞳孔膜遺残、硝子体動脈遺残、水晶体血管膜遺残及び紋理眼底が観察され、いずれも先天性所見と考えられた。水晶体の各部に種々の形態で混濁がみられた。水晶体前皮質の微粒状混濁は3か月齢から観察されたが、14か月齢までその発生頻度あるいは病変の程度に変動はみられなかった。一方、水晶体の核、後皮質及び後嚢における混濁は月齢が増加するとともに発生頻度が増加する傾向がみられ、特に後皮質の限局性混濁と後嚢の微粒状、限局...

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Veröffentlicht in:比較眼科研究 2020/12/25, Vol.39, pp.9-13
Hauptverfasser: 山本, 哲弥, 小川, 竜也, 加藤, 周平, 梛木, 脩, 福永, 八千代, 望月, 雅裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:雌雄各12例のゲッチンゲンミニブタを3から14か月齢にかけて定期的に臨床眼科学的に検査し、眼球の背景所見を評価した。目視検査で虹彩の不均一な色素分布が、また、倒像検眼鏡検査及び細隙灯検眼鏡検査で、瞳孔膜遺残、硝子体動脈遺残、水晶体血管膜遺残及び紋理眼底が観察され、いずれも先天性所見と考えられた。水晶体の各部に種々の形態で混濁がみられた。水晶体前皮質の微粒状混濁は3か月齢から観察されたが、14か月齢までその発生頻度あるいは病変の程度に変動はみられなかった。一方、水晶体の核、後皮質及び後嚢における混濁は月齢が増加するとともに発生頻度が増加する傾向がみられ、特に後皮質の限局性混濁と後嚢の微粒状、限局性ならびにび漫性混濁は9か月齢以降に発症した。これらより、ゲッチンゲンミニブタを用いた安全性評価試験を実施する際には、水晶体の自然発生性混濁病変の発症時期を考慮する必要があると考えられた。
ISSN:0286-7486
2185-8446
DOI:10.11254/jscvo.39.9