Crl:CD(SD)系ラットの26週間飼育における自然発生性眼病変の経時的推移
Crl:CD(SD)系ラット(雌雄各90匹)について、5週齢から31週齢時まで経時的に眼科学的検査を行い、自然発生性眼病変の発生頻度や病変の推移を調べた。また、32週齢時に剖検を行い、眼球(視神経含む)の病理組織学的検査を実施した。眼科学的検査の結果、硝子体動脈遺残、硝子体出血及び網膜赤色点(斑)が5週齢時の検査で認められたが、いずれも加齢に伴い消失した。5週齢時に認められた第1次硝子体過形成遺残及び瞳孔膜遺残は、加齢に伴い消失した例もあったが、31週齢時でも消失しない例も認められた。加齢に伴い増加する病変としては、水晶体限局性混濁(核、前皮質)及び眼底反射性亢進が観察された。水晶体限局性混濁...
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Veröffentlicht in: | 比較眼科研究 2016, Vol.35, pp.9-13 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Crl:CD(SD)系ラット(雌雄各90匹)について、5週齢から31週齢時まで経時的に眼科学的検査を行い、自然発生性眼病変の発生頻度や病変の推移を調べた。また、32週齢時に剖検を行い、眼球(視神経含む)の病理組織学的検査を実施した。眼科学的検査の結果、硝子体動脈遺残、硝子体出血及び網膜赤色点(斑)が5週齢時の検査で認められたが、いずれも加齢に伴い消失した。5週齢時に認められた第1次硝子体過形成遺残及び瞳孔膜遺残は、加齢に伴い消失した例もあったが、31週齢時でも消失しない例も認められた。加齢に伴い増加する病変としては、水晶体限局性混濁(核、前皮質)及び眼底反射性亢進が観察された。水晶体限局性混濁(後皮質、前嚢及び後嚢)、虹彩出血、固定瞳孔(散瞳剤による虹彩の反応が弱い)及び硝子体混濁は低頻度に発現したが、これらは可逆的な変化であった。水晶体後嚢のびまん性混濁は、観察期間中において消失することはなかった。眼球(視神経含む)の病理組織学的検査では、角膜上皮の石灰沈着、毛様体の褐色色素沈着、第1次硝子体過形成遺残、網膜萎縮及び網膜ひだ/ロゼットが認められた。水晶体限局性混濁については、病理組織学的に捉えることが難しい変化であった。以上、同一個体での眼病変の経時的推移を調べた結果、若齢から認められ消失する病変、加齢により頻度が増加する病変や、消失しない病変を明確にすることができた。 |
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ISSN: | 0286-7486 2185-8446 |
DOI: | 10.11254/jscvo.35.9 |