高度な顎堤欠損にPCBMとIODで咬合回復した1例
高度な顎堤欠損を有する症例に対し,骨幅と骨高径を回復させる自家骨移植とインプラントによる咬合回復は有用である.今回,腺性歯原性囊胞摘出後の顎堤欠損部に海綿骨骨髄細片(PCBM)移植と患者可撤式コーヌステレスコープを適応したインプラントオーバーデンチャー(IOD)により咬合回復した症例を報告する.患者は25歳の男性,左側頰部の膨隆を主訴として来院した.上顎左側中切歯から第一小臼歯は動揺度1であった.上顎左側埋伏過剰歯を含む境界明瞭なエックス線透過像を認め,上顎左側中切歯から第一小臼歯に歯根吸収が認められた.上顎に認められた腺性歯原性囊胞を摘出し,埋伏過剰歯を抜去した9か月後,上顎左側中切歯から第...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔インプラント学会誌 2024/06/30, Vol.37(2), pp.164-170 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 高度な顎堤欠損を有する症例に対し,骨幅と骨高径を回復させる自家骨移植とインプラントによる咬合回復は有用である.今回,腺性歯原性囊胞摘出後の顎堤欠損部に海綿骨骨髄細片(PCBM)移植と患者可撤式コーヌステレスコープを適応したインプラントオーバーデンチャー(IOD)により咬合回復した症例を報告する.患者は25歳の男性,左側頰部の膨隆を主訴として来院した.上顎左側中切歯から第一小臼歯は動揺度1であった.上顎左側埋伏過剰歯を含む境界明瞭なエックス線透過像を認め,上顎左側中切歯から第一小臼歯に歯根吸収が認められた.上顎に認められた腺性歯原性囊胞を摘出し,埋伏過剰歯を抜去した9か月後,上顎左側中切歯から第一小臼歯を抜去した.二次的に顎堤欠損部をPCBMにて再建後,3本のインプラント体を埋入した.顎堤吸収が大きく,十分なリップサポートが確保できず審美回復が困難なことや機能時にカンチレバーとなり力学的にも不利になりやすく,清掃性も著しく低下することから,インプラント上部構造はIODを選択した.IODの支台装置は二次固定が可能なコーヌステレスコープを選択し,剛性の高い可撤性上部構造を装着することで,複数のインプラントを強固に連結した.IOD装着後,囊胞の再発やインプラント周囲炎は確認されなかった.また,IODの破損や維持力の低下はなく,機能的・審美的に患者の満足が得られている. |
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ISSN: | 0914-6695 2187-9117 |
DOI: | 10.11237/jsoi.37.164 |