関節リウマチ患者に生じた薬剤関連顎骨壊死 (MRONJ) の腐骨除去後にインプラント治療を行った1症例

薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)による腐骨の除去後に, インプラント補綴にて対応した関節リウマチ患者の1症例を経験したので報告する. 患者は47歳, 女性で, ビスフォスフォネート製剤の一つであるアレンドロン酸ナトリウム錠を1年2か月内服していた. 経過中に下顎右側犬歯および第一小臼歯が脱落し, 右側下顎骨にMRONJの出現がみられた. MRONJによる腐骨の除去および抜歯を行った. 同部の治療後には, 正常な粘膜の治癒がみられ, 右側下顎骨の歯の欠損部位にインプラント体を2本埋入した. この2本のインプラント体は十分な初期固定が得られ, 咬合機能の回復に寄与した. これらの結果より, インプラ...

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Veröffentlicht in:日本口腔インプラント学会誌 2022-12, Vol.35 (4), p.314-320
Hauptverfasser: 君賢司, 栗城いづみ, 熊本裕行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)による腐骨の除去後に, インプラント補綴にて対応した関節リウマチ患者の1症例を経験したので報告する. 患者は47歳, 女性で, ビスフォスフォネート製剤の一つであるアレンドロン酸ナトリウム錠を1年2か月内服していた. 経過中に下顎右側犬歯および第一小臼歯が脱落し, 右側下顎骨にMRONJの出現がみられた. MRONJによる腐骨の除去および抜歯を行った. 同部の治療後には, 正常な粘膜の治癒がみられ, 右側下顎骨の歯の欠損部位にインプラント体を2本埋入した. この2本のインプラント体は十分な初期固定が得られ, 咬合機能の回復に寄与した. これらの結果より, インプラント治療はMRONJによる腐骨除去後の一つの治療の選択肢となりうる可能性があるが, 慎重な対応が必要であると考えられた.
ISSN:0914-6695