Corynebacterium durumとインプラント周囲炎との関連性の検討
近年,メタトランスクリプトーム解析による研究でCorynebacterium durumがインプラント周囲炎細菌叢において特異的,かつ中核を担っている細菌であることが報告された.そこでC. durumに着目し,本菌の選択培地を開発することにより,培養法を用いてインプラント周囲炎における本菌の分布を詳細に調査し,C. durumがインプラント周囲炎の病態推移の把握に有用な指標となりうるかを検討した.また,菌種同定に有用な口腔に関連したCorynebacterium属6菌種を対象としたMultiplex PCR法の開発も行った.本研究で開発したMultiplex PCR法とC. durum選択培地...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔インプラント学会誌 2021/03/31, Vol.34(1), pp.52-60 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年,メタトランスクリプトーム解析による研究でCorynebacterium durumがインプラント周囲炎細菌叢において特異的,かつ中核を担っている細菌であることが報告された.そこでC. durumに着目し,本菌の選択培地を開発することにより,培養法を用いてインプラント周囲炎における本菌の分布を詳細に調査し,C. durumがインプラント周囲炎の病態推移の把握に有用な指標となりうるかを検討した.また,菌種同定に有用な口腔に関連したCorynebacterium属6菌種を対象としたMultiplex PCR法の開発も行った.本研究で開発したMultiplex PCR法とC. durum選択培地は,C. durumを正確に同定・検出することが可能であった.次に,本選択培地を用いて,インプラント周囲炎患者20名および健常者20名のインプラント周囲溝滲出液中におけるC. durumの検出頻度と菌数を調査した.菌種同定には,開発したMultiplex PCR法を用いた.その結果,インプラント周囲炎患者ではC. durumが全被験者から検出されたが,健常者では11名(55%)のみから検出された.さらに,インプラント周囲炎患者におけるC. durum数は,健常者と比較して有意に多かった(p<0.05).以上のことから,C. durumがインプラント周囲炎に対して特異的な細菌であることが示唆された. |
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ISSN: | 0914-6695 2187-9117 |
DOI: | 10.11237/jsoi.34.52 |