多数歯欠損に対してインプラント支持の可撤性部分床義歯補綴装置を応用した11症例
緒言:Kennedy分類Ⅰ級およびⅡ級の部分無歯顎患者にインプラント支持の可撤性補綴装置(implant-supported prosthetic appliance:以下ISPAと略す)を用いれば,従来の可撤性部分床義歯と比べて義歯の安定が図られ,咀嚼機能を回復することができるとされている.今回,ISPAで治療したKennedy分類Ⅰ級およびⅡ級の部分無歯顎患者での治療結果について,若干の文献的考察を加えて報告する.症例の概要:11例の患者がISPAで治療された.患者の平均年齢は64.5歳で,性別は女性が9例,男性は2例で,3例は下顎,8例は上顎の多数歯欠損(8歯以上の欠損)であった.11例...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔インプラント学会誌 2020/12/31, Vol.33(4), pp.375-381 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言:Kennedy分類Ⅰ級およびⅡ級の部分無歯顎患者にインプラント支持の可撤性補綴装置(implant-supported prosthetic appliance:以下ISPAと略す)を用いれば,従来の可撤性部分床義歯と比べて義歯の安定が図られ,咀嚼機能を回復することができるとされている.今回,ISPAで治療したKennedy分類Ⅰ級およびⅡ級の部分無歯顎患者での治療結果について,若干の文献的考察を加えて報告する.症例の概要:11例の患者がISPAで治療された.患者の平均年齢は64.5歳で,性別は女性が9例,男性は2例で,3例は下顎,8例は上顎の多数歯欠損(8歯以上の欠損)であった.11例の患者に合計33本のインプラント体が埋入され,5種類のアタッチメント(磁性アタッチメント3例,ロケーター2例,ミリングされたヒーリングアバットメント2例,バーとクリップ2例,歯冠外アタッチメント2例)が使用された.治療後の経過観察期間は41~183カ月(平均97カ月)であった.喪失したインプラント体はなく,インプラント体と上部構造の残存率は100%であった.11例中3例では補綴的合併症は起こらなかったが,8例では義歯床の破折,人工歯の摩耗,マグネットの脱離などの機械的合併症が起こり,2本の支台歯が抜歯された.しかし,いずれの機械的合併症も修復できるものであった.結論:ISPAは多数歯欠損症例に対し,治療経過が予測可能な低侵襲の治療法であることが示唆された. |
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ISSN: | 0914-6695 2187-9117 |
DOI: | 10.11237/jsoi.33.375 |