破折した歯科インプラント体の破折後の治療についての多施設共同研究

目的:歯科インプラント体の破折はまれな合併症であるが,患者と歯科医師にとってはインプラント体と補綴物を失うという挫折を伴う問題である.GOIATOらは,破折したインプラント体は,インプラント体の完全除去と新しいインプラント体の埋入による再治療が最適な方法としている.本研究の目的は,九州地区10カ所の歯科診療所でのインプラント体の破折頻度を評価した以前の研究で見いだされた16例の破折例に対する治療を評価することである.対象および方法:上記の16例(17本)のインプラント体破折例の治療方法を調査した.結果:次の4種類の治療法が用いられた.(1)インプラントプラットフォーム部の小破折片を除去し,元の...

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Veröffentlicht in:日本口腔インプラント学会誌 2020/09/30, Vol.33(3), pp.298-307
Hauptverfasser: 神村, 正人, 森永, 健三, 馬場, 正英, 佐々木, 立命, 林, 秀樹, 清野, 政孝, 大森, 桂二, 山田, 俊介, 岡田, 芙実子, 松浦, 正朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:歯科インプラント体の破折はまれな合併症であるが,患者と歯科医師にとってはインプラント体と補綴物を失うという挫折を伴う問題である.GOIATOらは,破折したインプラント体は,インプラント体の完全除去と新しいインプラント体の埋入による再治療が最適な方法としている.本研究の目的は,九州地区10カ所の歯科診療所でのインプラント体の破折頻度を評価した以前の研究で見いだされた16例の破折例に対する治療を評価することである.対象および方法:上記の16例(17本)のインプラント体破折例の治療方法を調査した.結果:次の4種類の治療法が用いられた.(1)インプラントプラットフォーム部の小破折片を除去し,元の上部構造をインプラント体に再装着;7例(8本),(2)破折インプラント体を骨内に残し両隣在歯にブリッジを装着;1例,あるいは破折インプラント体を骨内に残し補綴しなかったもの;1例,(3)破折インプラント体を除去,同部位に新しいインプラント体を埋入し新しい上部構造を装着;3例,(4)破折インプラント体は骨内に残し,隣接部位にインプラント体を埋入し新しい上部構造を装着;4例.結論:新しいインプラント体を埋入した症例では,治療後にトラブルは起こらなかったが,破折インプラント体に元の上部構造を装着した症例ではスクリューの緩み,上部構造の破折などの合併症が起こった.それゆえ,(3)が最良の治療の選択肢であることが示唆された.
ISSN:0914-6695
2187-9117
DOI:10.11237/jsoi.33.298