広範囲顎骨支持型装置を適用した1例

無歯顎の上顎左側歯肉上皮内癌切除後に,ロケーターアタッチメントを応用した広範囲顎骨支持型補綴装置を用いて咬合の再建を行うことができたので報告する.患者は87歳の女性.上顎左側歯肉の疼痛を主訴に当科を受診した.病理診断は,上顎左側歯肉は上顎歯肉上皮内癌,上顎右側歯肉は白板症であった.両側上顎歯肉切除と5 4 部に2本のインプラント体を埋入したが,術後は義歯の維持力が著しく低下し,咀嚼機能がきわめて低下した.また,経過中に上顎左側前歯部に壊死骨の露出を認めた.よって最初の手術から約7カ月後に腐骨除去術と5 4 部の健常骨に2本のインプラント体を埋入した.上顎左側歯肉上皮内癌の術後1年3カ月経過時に...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本口腔インプラント学会誌 2018/12/31, Vol.31(4), pp.346-353
Hauptverfasser: 橘, 寛彦, 尾崎, 尚, 遊佐, 和之, 川口, 太郎, 飯野, 光喜
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:無歯顎の上顎左側歯肉上皮内癌切除後に,ロケーターアタッチメントを応用した広範囲顎骨支持型補綴装置を用いて咬合の再建を行うことができたので報告する.患者は87歳の女性.上顎左側歯肉の疼痛を主訴に当科を受診した.病理診断は,上顎左側歯肉は上顎歯肉上皮内癌,上顎右側歯肉は白板症であった.両側上顎歯肉切除と5 4 部に2本のインプラント体を埋入したが,術後は義歯の維持力が著しく低下し,咀嚼機能がきわめて低下した.また,経過中に上顎左側前歯部に壊死骨の露出を認めた.よって最初の手術から約7カ月後に腐骨除去術と5 4 部の健常骨に2本のインプラント体を埋入した.上顎左側歯肉上皮内癌の術後1年3カ月経過時にロケーターアタッチメントを応用したインプラントオーバーデンチャーを装着した.これにより咀嚼機能ならびにQOLを著明に向上させることができた.現在,上部構造装着から約4年が経過しているが良好である.
ISSN:0914-6695
2187-9117
DOI:10.11237/jsoi.31.346