Müller管遺残症候群を合併した横断性精巣転位の1例

Müller管遺残症候群(persistent müllerian duct syndrome: PMDS)を合併した横断性精巣転位(transverse testicular ectopi: TTE)の1例を経験したため報告する.症例は1歳男児,左非精巣触知で受診し,触診にて右陰囊内に精巣を2つ認め,左陰囊内が空虚なためTTEが疑われ,腹腔鏡補助下に診断しえた,PMDSを伴うTTEの症例を経験した.TTEは比較的稀な疾患であり,停留精巣・非触知精巣の場合TTEを念頭に置いて診察しないと転位精巣を萎縮・消失精巣と見誤る可能性がある.また,TTEの30%にPMDSを認めるとされており,術前からP...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2024/06/20, Vol.60(4), pp.713-718
Hauptverfasser: 吉澤, 信輔, 大橋, 研介, 多田, 実
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:Müller管遺残症候群(persistent müllerian duct syndrome: PMDS)を合併した横断性精巣転位(transverse testicular ectopi: TTE)の1例を経験したため報告する.症例は1歳男児,左非精巣触知で受診し,触診にて右陰囊内に精巣を2つ認め,左陰囊内が空虚なためTTEが疑われ,腹腔鏡補助下に診断しえた,PMDSを伴うTTEの症例を経験した.TTEは比較的稀な疾患であり,停留精巣・非触知精巣の場合TTEを念頭に置いて診察しないと転位精巣を萎縮・消失精巣と見誤る可能性がある.また,TTEの30%にPMDSを認めるとされており,術前からPMDSの存在を考慮して手術に望むことが重要である.精巣腫瘍のリスクは定位側・転位側でともに高いとされ,それを考慮すると左右精索は可及的高位まで分離し,精巣の固定には陰囊中隔経路はできるだけ避けるべきだと思われる.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.60.4_713