先天性結腸閉鎖症に対して臍部人工肛門造設術を用いた多期的手術で良好な経過をたどった1例
症例は日齢1,女児.出生後,肛門刺激で粘液状の排便を認めたが,生後6時間から胆汁性嘔吐が出現し,当院に新生児搬送となった.腹部膨満,腹部単純X線検査で腸管拡張,注腸造影でmicro colonを認め,腸閉鎖症を疑い,同日試験開腹の方針とした.右上腹部横切開で開腹し検索すると,上行結腸で完全離断型の結腸閉鎖症および脾彎曲以下のmicro colonを認め,他部位に腸閉鎖症の所見は認めなかった.口径差は1:10以上であったが,ダイヤモンド型吻合とし,diverting stomaとして臍部回腸ループ式人工肛門造設術を施行した.術後4か月に再入院とし,人工肛門肛門側から模擬便注入を開始し,吻合部口径...
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Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2024/02/20, Vol.60(1), pp.73-77 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は日齢1,女児.出生後,肛門刺激で粘液状の排便を認めたが,生後6時間から胆汁性嘔吐が出現し,当院に新生児搬送となった.腹部膨満,腹部単純X線検査で腸管拡張,注腸造影でmicro colonを認め,腸閉鎖症を疑い,同日試験開腹の方針とした.右上腹部横切開で開腹し検索すると,上行結腸で完全離断型の結腸閉鎖症および脾彎曲以下のmicro colonを認め,他部位に腸閉鎖症の所見は認めなかった.口径差は1:10以上であったが,ダイヤモンド型吻合とし,diverting stomaとして臍部回腸ループ式人工肛門造設術を施行した.術後4か月に再入院とし,人工肛門肛門側から模擬便注入を開始し,吻合部口径差の改善を確認した後に人工肛門閉鎖術および臍形成術を施行し術後経過は良好である.今回,臍部人工肛門を造設し,整容面も維持しつつ安全に多期的手術を完遂し,良好な経過であった完全離断型上行結腸閉鎖症を経験したので,文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.60.1_73 |