Nuss法術後の非感染性心囊液貯留,胸水貯留にステロイドが奏効した2例

Nuss法術後に認められる心囊液・胸水貯留は比較的まれな合併症である.今回,我々はNuss法術後に発熱,倦怠感とともに,心囊液貯留を認めた症例を経験したので報告する.症例1は15歳男児で,Nuss法術後4か月頃より発熱を認め外来受診された.血液検査で炎症反応高値であり,胸部造影CT検査で心囊液貯留を認め,入院となった.創部周囲の皮膚にバー感染を示す異常所見を認めず,ステロイド投与を行い,心囊液は消失した.症例2は16歳女性で,Nuss法術後2週間後に発熱と体重減少あり受診された.血液検査では炎症反応高値で,心臓超音波検査で心囊液貯留を認め,創部周囲には異常所見がなく,ステロイド投与行い,心囊液...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2021/12/20, Vol.57(7), pp.1112-1117
Hauptverfasser: 久山, 寿子, 植村, 貞繁, 曹, 英樹, 吉田, 篤史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Nuss法術後に認められる心囊液・胸水貯留は比較的まれな合併症である.今回,我々はNuss法術後に発熱,倦怠感とともに,心囊液貯留を認めた症例を経験したので報告する.症例1は15歳男児で,Nuss法術後4か月頃より発熱を認め外来受診された.血液検査で炎症反応高値であり,胸部造影CT検査で心囊液貯留を認め,入院となった.創部周囲の皮膚にバー感染を示す異常所見を認めず,ステロイド投与を行い,心囊液は消失した.症例2は16歳女性で,Nuss法術後2週間後に発熱と体重減少あり受診された.血液検査では炎症反応高値で,心臓超音波検査で心囊液貯留を認め,創部周囲には異常所見がなく,ステロイド投与行い,心囊液貯留は改善した.しかし,退院後に発熱が持続したため,再度外来受診し,左胸水貯留を認めた.再度ステロイド投与行い治癒した.Nuss法術後の心囊液,胸水貯留は,バー感染が否定的な場合,ステロイド投与が効果的であった.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.57.7_1112