経臍的小開腹アプローチで胃切開により摘出した毛髪胃石の1例
症例は10歳女児.主訴は腹痛と嘔吐.触診にて上腹部に10 cm大の腫瘤を認めた.抜毛と食毛の習癖があり毛髪胃石を疑った.腹部CTでは胃内に気泡を含む巨大な塊を認め,胃内視鏡にて毛髪塊を認めたため毛髪胃石と診断した.内視鏡的摘出困難と判断し,消化管閉塞症状を認めなかったため待機的に手術を施行.臍部にて小開腹し,胃壁を創縁まで引き出して切開した.ALEXIS®ウーンドリトラクターXSを切開部より胃内に挿入し,胃壁を展開,固定した後,直視下に胃石を摘出.胃石重量は290 g,手術時間は110分.摘出後,胃切開部から手袋法にて鏡視下に胃内を観察し,遺残がないことを確認した.経臍的アプローチにて創縁保護...
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Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2021/04/20, Vol.57(3), pp.684-689 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は10歳女児.主訴は腹痛と嘔吐.触診にて上腹部に10 cm大の腫瘤を認めた.抜毛と食毛の習癖があり毛髪胃石を疑った.腹部CTでは胃内に気泡を含む巨大な塊を認め,胃内視鏡にて毛髪塊を認めたため毛髪胃石と診断した.内視鏡的摘出困難と判断し,消化管閉塞症状を認めなかったため待機的に手術を施行.臍部にて小開腹し,胃壁を創縁まで引き出して切開した.ALEXIS®ウーンドリトラクターXSを切開部より胃内に挿入し,胃壁を展開,固定した後,直視下に胃石を摘出.胃石重量は290 g,手術時間は110分.摘出後,胃切開部から手袋法にて鏡視下に胃内を観察し,遺残がないことを確認した.経臍的アプローチにて創縁保護具を胃切開部より胃内に挿入することにより,創直下に胃内を目視でき,胃石摘出を施行し得た.胃切開部からの鏡視下観察は,小切開での手術を補う簡便で有効な手段である.症例提示とともに文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.57.3_684 |