S状結腸過長を合併した低位鎖肛術後難治性便秘に対しS状結腸切除が著効した1例
症例は5歳男児.在胎41週,2,990 gで出生後,肛門皮膚瘻の診断で日齢0に会陰式造肛術が施行された.その際,尿道と瘻孔の剥離が十分できず,肛門を前方気味に形成する結果となった.術後便秘に対して3歳時にanterior sagittal anorectoplasty(ASARP)法で外肛門括約筋の中心に肛門を再形成したが,その後も浣腸によってしか排便が得られず,S状結腸の過長および直腸の高度拡張を呈していた.これらの病的腸管における蠕動障害が便秘の原因であると判断し,5歳時に拡張直腸のtaperingを伴う開腹S状結腸切除術を施行した.術後経過は問題なく,術後12日目に退院した.術後3年の現...
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Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2020/12/20, Vol.56(7), pp.1128-1132 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は5歳男児.在胎41週,2,990 gで出生後,肛門皮膚瘻の診断で日齢0に会陰式造肛術が施行された.その際,尿道と瘻孔の剥離が十分できず,肛門を前方気味に形成する結果となった.術後便秘に対して3歳時にanterior sagittal anorectoplasty(ASARP)法で外肛門括約筋の中心に肛門を再形成したが,その後も浣腸によってしか排便が得られず,S状結腸の過長および直腸の高度拡張を呈していた.これらの病的腸管における蠕動障害が便秘の原因であると判断し,5歳時に拡張直腸のtaperingを伴う開腹S状結腸切除術を施行した.術後経過は問題なく,術後12日目に退院した.術後3年の現在,定期的な浣腸は不要となり,緩下剤の頓服のみでほぼ毎日排便が得られ,QOLが著しく向上した.過長なS状結腸および拡張直腸の切除は,その他の疾患が除外された難治性便秘例では,非常に有効である可能性が考えられた. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.56.7_1128 |