胆道閉鎖症におけるductal plate malformationと肝線維化の関係

【目的】Ductal plate malformation(DPM)が原因とされる胆道閉鎖症(BA)は,早期発症と関連があり自己肝生存率に影響を与えている可能性がある.初回手術時の胆道閉鎖症の肝線維化とDPMの関連を検討した.【方法】1976年から2017年に当院で葛西手術を施行し,同時に肝生検が行われたBA 32例を検討した.DPMを認めた群をA群,認めなかった群をB群とした.初回手術日齢,portal-portal bridging(P-P)の程度,portal-central vein bridging(P-C)の有無,黄疸消失率(総ビリルビン<2.0 mg/dl)および黄疸消失に至るま...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2019/10/20, Vol.55(6), pp.1061-1065
Hauptverfasser: 大林, 樹真, 小池, 淳樹, 古田, 繁行, 田中, 邦英, 長江, 秀樹, 北川, 博昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】Ductal plate malformation(DPM)が原因とされる胆道閉鎖症(BA)は,早期発症と関連があり自己肝生存率に影響を与えている可能性がある.初回手術時の胆道閉鎖症の肝線維化とDPMの関連を検討した.【方法】1976年から2017年に当院で葛西手術を施行し,同時に肝生検が行われたBA 32例を検討した.DPMを認めた群をA群,認めなかった群をB群とした.初回手術日齢,portal-portal bridging(P-P)の程度,portal-central vein bridging(P-C)の有無,黄疸消失率(総ビリルビン<2.0 mg/dl)および黄疸消失に至るまでの日数を評価した.P-P<50%をGrade 1,>50%をGrade 2,偽小葉化がみられるのをGrade 3とした.統計学的解析はχ二乗検定およびStudent’s t-testを行い,有意差をp<0.05とした.【結果】A群が9例,B群が23例だった.両群の生存率に差は見られなかった.初回手術日齢はA群67.3±17.8日,B群89.0±29.7日だった(p=0.050).P-PはA群ではGrade 1が2例,Grade 2が3例,Grade 3が4例で,B群ではそれぞれ7例,12例,4例だった(p=0.281).P-CはA群7例,B群8例で認めた(p=0.028).黄疸消失率,黄疸消失までの日数に差を認めなかった(p=0.599,p=0.252).【結論】DPMを認めるBAは初回手術日齢が早いものの肝硬変像であるP-Cを認め,早期発症の可能性がある.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.55.6_1061