臍ヘルニアに対して従来法に臍底部余剰皮膚環状切除を加えた3例についての報告

臍ヘルニア修復術において,臍下縁弧状皮膚切開法は余剰皮膚が多い症例や臍の輪郭の大きい症例では陥入が不十分になり,満足度が得られにくい.そこで,今回女児2例(うち1例は尿膜管遺残合併のため同時手術),男児1例の臍ヘルニアに対して以下の術式で臍形成を施行した.手術方法:臍下縁弧状皮膚切開後,ヘルニア囊を切除しヘルニア門の修復を行う.臍底部の余剰皮膚を環状に切除後,皮膚欠損孔を巾着縫合で閉鎖して,腹直筋前鞘へ固定.本術式は,複雑な皮膚切開を必要とする従来法に比べて簡単かつ短時間で施行でき,形成した臍の術後形態も良好であった.また,尿膜管遺残を併発した症例に対しては,尿膜管の切除と同時に臍ヘルニアの根...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2018/06/20, Vol.54(4), pp.942-945
Hauptverfasser: 野口, 侑記, 山中, 宏晃, 田附, 裕子, 樋渡, 勝平, 児玉, 匡, 奥山, 宏臣
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:臍ヘルニア修復術において,臍下縁弧状皮膚切開法は余剰皮膚が多い症例や臍の輪郭の大きい症例では陥入が不十分になり,満足度が得られにくい.そこで,今回女児2例(うち1例は尿膜管遺残合併のため同時手術),男児1例の臍ヘルニアに対して以下の術式で臍形成を施行した.手術方法:臍下縁弧状皮膚切開後,ヘルニア囊を切除しヘルニア門の修復を行う.臍底部の余剰皮膚を環状に切除後,皮膚欠損孔を巾着縫合で閉鎖して,腹直筋前鞘へ固定.本術式は,複雑な皮膚切開を必要とする従来法に比べて簡単かつ短時間で施行でき,形成した臍の術後形態も良好であった.また,尿膜管遺残を併発した症例に対しては,尿膜管の切除と同時に臍ヘルニアの根治も施行することが可能であった.さらに術後に弧状切開-環状切除間組織への血流障害が懸念されたが,2か月以上経過しても皮膚のトラブルは認められなかった.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.54.4_942