乳児生体肝移植後早期の門脈血栓症に対する門脈ステント留置
症例は7か月の女児.生後68日にて胆道閉鎖症に対して葛西手術を施行するも減黄不十分で肝不全が進行し,母親をドナーとする生体肝移植を施行した.減寸外側区域グラフトを用い,門脈はパッチグラフトで形成した.術後8日目に,浮腫の増悪と急速な腹水増加があり,腹部超音波にて肝内門脈腔は認めるものの血流確認できず本幹に血栓を認めた.そのため,同日に緊急で経皮経肝門脈造影を行い,カテーテルが血栓部位を通過したのちに,上腸間膜静脈から造影すると,肝内門脈は,ほとんど造影されなかった.そのため,7 mm~4 cmのメタルステントの留置を行い,肝内門脈への血流が再開した.その後,低分子ヘパリンによる抗凝固を開始し,...
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Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2018/02/20, Vol.54(1), pp.59-63 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は7か月の女児.生後68日にて胆道閉鎖症に対して葛西手術を施行するも減黄不十分で肝不全が進行し,母親をドナーとする生体肝移植を施行した.減寸外側区域グラフトを用い,門脈はパッチグラフトで形成した.術後8日目に,浮腫の増悪と急速な腹水増加があり,腹部超音波にて肝内門脈腔は認めるものの血流確認できず本幹に血栓を認めた.そのため,同日に緊急で経皮経肝門脈造影を行い,カテーテルが血栓部位を通過したのちに,上腸間膜静脈から造影すると,肝内門脈は,ほとんど造影されなかった.そのため,7 mm~4 cmのメタルステントの留置を行い,肝内門脈への血流が再開した.その後,低分子ヘパリンによる抗凝固を開始し,ワーファリンに移行した.術後45日で退院となり,術後半年時点での門脈血流は良好である.乳児であり,また術後比較的早期のステント留置で適応に関する議論の余地はあるが,低侵襲で効果的な治療であった. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.54.1_59 |