腫瘍出血で発見されたホルモン産生性副腎皮質腫瘍の1女児例
小児副腎皮質腫瘍は男性化徴候などの内分泌症状を呈することが多く,腫瘍出血で発見されることは稀である.症例は8 か月女児.嘔吐・腹部膨満を主訴に来院した.高度の貧血を認め,超音波検査やCT で右副腎出血や右副腎腫瘍の腫瘍出血が疑われた.腫瘍マーカーは陰性で,内分泌症状はなかったが,血中DHEA-S,17αOHP の上昇を認めた.血腫消褪後に撮影したMRI で,右副腎に腫瘍性病変を認め,右副腎皮質腫瘍と診断し,手術を施行した.腫瘍は転移や局所浸潤はなく,被膜破綻せず完全切除した.腫瘍径は55×40 mm,重量31 g であった.Wieneke criteria では3 項目陽性でintermedi...
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Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2017/04/20, Vol.53(2), pp.305-309 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 小児副腎皮質腫瘍は男性化徴候などの内分泌症状を呈することが多く,腫瘍出血で発見されることは稀である.症例は8 か月女児.嘔吐・腹部膨満を主訴に来院した.高度の貧血を認め,超音波検査やCT で右副腎出血や右副腎腫瘍の腫瘍出血が疑われた.腫瘍マーカーは陰性で,内分泌症状はなかったが,血中DHEA-S,17αOHP の上昇を認めた.血腫消褪後に撮影したMRI で,右副腎に腫瘍性病変を認め,右副腎皮質腫瘍と診断し,手術を施行した.腫瘍は転移や局所浸潤はなく,被膜破綻せず完全切除した.腫瘍径は55×40 mm,重量31 g であった.Wieneke criteria では3 項目陽性でintermediate clinical outcome category であった.術後5 か月経過するが再発はない.小児副腎皮質腫瘍では被膜破綻なく完全切除することで予後が改善する.本例は完全切除したが,腫瘍出血による術前の被膜破綻は否定できず慎重な経過観察を要する. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.53.2_305 |