胆道閉鎖症の術前腹部超音波検査における胆囊収縮の意義: 病型及び膵・胆管合流異常との関連について

【目的】胆道閉鎖症(BA)は進行性に肝線維化をきたす疾患であり,遅滞なく診断・手術を行う必要がある.当院で手術を施行したBA 症例において術前腹部超音波検査(US)でBA に非典型的な所見である「哺乳による胆囊収縮」を認めた症例の特徴について検討した.【方法】2005 年から2014 年までの10 年間に当院で葛西手術を施行したBA 症例のうち腹部US で胆囊収縮を評価した12 例を対象とし,胆囊収縮あり群(4 例)と胆囊収縮群(8 例)の2 群に分けて,性別,手術時日齢,術前T-Bil,病型,術後3 か月T-Bil,術後1 年自己肝生存率を比較検討した.【結果】両群間で性別,手術時日齢,術前...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2017/04/20, Vol.53(2), pp.247-251
Hauptverfasser: 遠藤, 耕介, 福澤, 宏明, 三島, 泰彦, 玉城, 昭彦, 森田, 圭一, 大片, 祐一, 久松, 千恵子, 横井, 暁子, 前田, 貢作
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】胆道閉鎖症(BA)は進行性に肝線維化をきたす疾患であり,遅滞なく診断・手術を行う必要がある.当院で手術を施行したBA 症例において術前腹部超音波検査(US)でBA に非典型的な所見である「哺乳による胆囊収縮」を認めた症例の特徴について検討した.【方法】2005 年から2014 年までの10 年間に当院で葛西手術を施行したBA 症例のうち腹部US で胆囊収縮を評価した12 例を対象とし,胆囊収縮あり群(4 例)と胆囊収縮群(8 例)の2 群に分けて,性別,手術時日齢,術前T-Bil,病型,術後3 か月T-Bil,術後1 年自己肝生存率を比較検討した.【結果】両群間で性別,手術時日齢,術前T-Bil,術後3 か月T-Bil,術後1 年自己肝生存率に有意な差を認めなかったが,病型に有意差を認めた.胆囊収縮あり群は全例が下部胆管分類で総胆管開存型(a 型)であり,4 例中2 例で膵・胆管合流異常を認めた.【結論】a 型のBA では術前腹部US で胆囊が描出され収縮を認めることがあり注意を要する.また,a 型BA では高率に膵・胆管合流異常を合併している可能性があり,今後の検討を要すると思われた.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.53.2_247