Branchio-otic症候群に伴う両側側頸瘻の1例
症例は15 歳女児,両側の側頸瘻に対して瘻管切除術を行った.家族歴は認めなかったが,幼少期より内耳,中耳の奇形を伴う難聴を指摘されていた.側頸瘻と耳奇形,難聴の合併所見よりBranchio-otic 症候群(BO 症候群)と診断した.BO 症候群は第2 鰓弓奇形としての側頸瘻,難聴,耳奇形を特徴とし,常染色体優性遺伝をとる疾患である.腎奇形を伴う場合にはBranchio-oto-renal 症候群(BOR 症候群)と呼ばれる.BO/BOR 症候群は,その認知度の低さから診断に至っていない症例も数多くいると考えられている.側頸瘻を有する症例のうち,両側性や完全瘻を呈する症例は比較的少ないが,BO...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2017/02/20, Vol.53(1), pp.105-109 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 症例は15 歳女児,両側の側頸瘻に対して瘻管切除術を行った.家族歴は認めなかったが,幼少期より内耳,中耳の奇形を伴う難聴を指摘されていた.側頸瘻と耳奇形,難聴の合併所見よりBranchio-otic 症候群(BO 症候群)と診断した.BO 症候群は第2 鰓弓奇形としての側頸瘻,難聴,耳奇形を特徴とし,常染色体優性遺伝をとる疾患である.腎奇形を伴う場合にはBranchio-oto-renal 症候群(BOR 症候群)と呼ばれる.BO/BOR 症候群は,その認知度の低さから診断に至っていない症例も数多くいると考えられている.側頸瘻を有する症例のうち,両側性や完全瘻を呈する症例は比較的少ないが,BO/BOR 症候群に伴う側頸瘻は両側性や完全瘻の報告が多い.自験例は左側が完全瘻の両側側頸瘻であった.両側例や完全瘻を有する症例に対しては本症候群も考慮する必要があると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.53.1_105 |