茎捻転を来した肺葉外肺分画症の1例: 至適手術時期についての検討

症例は8 歳女児.原因不明の発熱,右腹部痛,左肩・胸部・腰背部痛で当科に紹介された.来院時,左腰背部の叩打痛と,反跳痛や筋性防御を伴わない右腹部圧痛を認めた.CT では左胸腔内に造影効果を伴わない36×35×20 mm 大の腫瘤性病変が確認された.臨床経過と画像所見から肺葉外肺分画症の茎捻転を疑ったが,翌日のダイナミックCT でも栄養血管は描出されず,左胸水の出現を認めた.入院4 日目に施行した開胸手術では,分画肺の茎捻転所見が確認され,分画肺を切除した.病理所見も併せて肺葉外肺分画症の茎捻転と診断した.術後経過は良好で,術後4 日目に退院した.肺葉外肺分画症の多くは無症状で偶然発見されるが,...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2016/12/20, Vol.52(7), pp.1327-1332
Hauptverfasser: 仲谷, 健吾, 飯沼, 泰史, 平山, 裕, 倉八, 朋宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は8 歳女児.原因不明の発熱,右腹部痛,左肩・胸部・腰背部痛で当科に紹介された.来院時,左腰背部の叩打痛と,反跳痛や筋性防御を伴わない右腹部圧痛を認めた.CT では左胸腔内に造影効果を伴わない36×35×20 mm 大の腫瘤性病変が確認された.臨床経過と画像所見から肺葉外肺分画症の茎捻転を疑ったが,翌日のダイナミックCT でも栄養血管は描出されず,左胸水の出現を認めた.入院4 日目に施行した開胸手術では,分画肺の茎捻転所見が確認され,分画肺を切除した.病理所見も併せて肺葉外肺分画症の茎捻転と診断した.術後経過は良好で,術後4 日目に退院した.肺葉外肺分画症の多くは無症状で偶然発見されるが,稀に栄養血管の茎捻転による腹痛や胸痛を呈することがある.術前診断は通常困難だが,時間経過と共に癒着が進行するため,茎捻転を疑った際には発症から7 日以内の手術が望ましいと考えられた.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.52.7_1327