学童期に発症した巨大腫瘤を呈した大腸静脈奇形の1例

大腸静脈奇形は稀な疾患であり,小児期に発症する例はさらに稀である.今回,我々は腹痛・下血を主訴に発症した小児例を経験したので報告する.症例は10 歳11 か月,女児.生来健康であったが,転倒を契機に腹痛・下血を訴え,近医受診した.腹部CT にて腹腔内に巨大腫瘤を認め,精査加療目的に当科紹介された.腹部超音波検査,CT,MRI,注腸造影所見より右結腸静脈奇形と診断し,手術施行した.盲腸から上行結腸の腸管壁より発生した暗赤色を呈する多房性小囊胞性腫瘤を認め,上行結腸,回盲部と合併切除した.病理組織学的所見より静脈奇形と確定診断した.小児の下血の診療においては,本症も念頭に置くことが重要と思われる....

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2016/08/20, Vol.52(5), pp.1108-1113
Hauptverfasser: 縫, 明大, 橋本, さつき, 西堀, 重樹, 浜田, 弘巳, 平間, 敏憲
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:大腸静脈奇形は稀な疾患であり,小児期に発症する例はさらに稀である.今回,我々は腹痛・下血を主訴に発症した小児例を経験したので報告する.症例は10 歳11 か月,女児.生来健康であったが,転倒を契機に腹痛・下血を訴え,近医受診した.腹部CT にて腹腔内に巨大腫瘤を認め,精査加療目的に当科紹介された.腹部超音波検査,CT,MRI,注腸造影所見より右結腸静脈奇形と診断し,手術施行した.盲腸から上行結腸の腸管壁より発生した暗赤色を呈する多房性小囊胞性腫瘤を認め,上行結腸,回盲部と合併切除した.病理組織学的所見より静脈奇形と確定診断した.小児の下血の診療においては,本症も念頭に置くことが重要と思われる.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.52.5_1108