トリアムシノロンアセトニド局所注射療法後に喉頭気管形成術を施行し良好な経過をたどった,高度後天性声門・声門下腔狭窄症の1例
小児の高度な後天性の声門および声門下腔狭窄症の治療は依然困難である.症例は2 歳4 か月の女児.抜管困難症のため気管切開を受けており,声門および声門下腔に高度な狭窄を生じていた.本症例に対し,我々はトリアムシノロンアセトニド水溶懸濁液(TA)を局所注射することで声門部の瘢痕治療を先行し,後に肋軟骨の前方および後方移植術を施行した.TA 局所注射単独を繰り返し施行することで完全閉塞であった声門部の瘢痕は改善し,声門下腔の内腔も観察できるようになった.1 回にTA 1 mg/kg 以下を3~4 週間ごとに用いたが,経過中明らかな副作用症状は認めなかった.喉頭気管形成術後2 か月でT チューブを抜去...
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Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2016/06/20, Vol.52(4), pp.987-991 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 小児の高度な後天性の声門および声門下腔狭窄症の治療は依然困難である.症例は2 歳4 か月の女児.抜管困難症のため気管切開を受けており,声門および声門下腔に高度な狭窄を生じていた.本症例に対し,我々はトリアムシノロンアセトニド水溶懸濁液(TA)を局所注射することで声門部の瘢痕治療を先行し,後に肋軟骨の前方および後方移植術を施行した.TA 局所注射単独を繰り返し施行することで完全閉塞であった声門部の瘢痕は改善し,声門下腔の内腔も観察できるようになった.1 回にTA 1 mg/kg 以下を3~4 週間ごとに用いたが,経過中明らかな副作用症状は認めなかった.喉頭気管形成術後2 か月でT チューブを抜去,術後1 年3 か月後に気管切開孔を閉鎖しえた.TA 局所注射は投与方法,投与量,投与間隔が定まっていないが非常に効果的であり,本疾患の治療の有用な選択肢の1 つであることが示唆された. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.52.4_987 |