乳児胃食道逆流に対する六君子湯の使用経験
【目的】嘔吐や誤嚥性肺炎,肺高血圧症,呼吸障害に対して胃食道逆流現象(gastroesophageal reflux:以下GER)の関与が認められることがある.ただし,生理的にもGER を認める乳児においては,逆流防止手術の適応や手術時期には苦慮することも多い.そこで当院ではGER を認める乳児に六君子湯の投与を積極的に行っている.当院での使用経験について検討を行った. 【方法】2013 年1 月から2014 年6 月までに当科にGER を疑われて紹介になった乳児は25 人であった.臨床症状と上部消化管造影,酸逆流時間率よりGER の評価を行った.GER の診断で六君子湯による治療を行った17...
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Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2016/04/20, Vol.52(2), pp.243-246 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】嘔吐や誤嚥性肺炎,肺高血圧症,呼吸障害に対して胃食道逆流現象(gastroesophageal reflux:以下GER)の関与が認められることがある.ただし,生理的にもGER を認める乳児においては,逆流防止手術の適応や手術時期には苦慮することも多い.そこで当院ではGER を認める乳児に六君子湯の投与を積極的に行っている.当院での使用経験について検討を行った. 【方法】2013 年1 月から2014 年6 月までに当科にGER を疑われて紹介になった乳児は25 人であった.臨床症状と上部消化管造影,酸逆流時間率よりGER の評価を行った.GER の診断で六君子湯による治療を行った17 人を対象とした.内服開始後の症状ならびに酸逆流時間率より効果判定を行った. 【結果】六君子湯の内服開始量は平均で0.27 g/kg/day であった.六君子湯内服による有害事象は認められず,全例で内服継続可能であった.17 例中11 例(64.7%)に明らかなGER 症状の改善を認めた.平均内服期間は8 か月であった. 【結論】六君子湯の内服を継続しながら成長を待つことで,外科的処置を回避することができると考えられた. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.52.2_243 |