腹腔内播種よりgrowing teratoma syndromeを呈した卵巣奇形腫の1例
Growing teratoma syndrome(以下GTS)は非精細胞性胚細胞性腫瘍の化学療法施行中や施行後に腫瘍増大を示すも腫瘍マーカーは正常値で,病理学的は成熟奇形腫となる病態である.我々は卵巣原発の未熟奇形腫の術後,腹膜播種の化学療法後に成熟成分が増大したGTS に1 例を経験した.症例は11 歳女児.直径270 mm の腹部腫瘍を認め,卵巣未熟奇形腫と術前診断した.手術所見では右卵巣腫瘍を認め,腹腔内には転移播種が認められたため,右卵巣摘出術および付属器切除術を施行した.病理組織学的には未熟奇形腫であった.術後化学療法にて血清AFP 値は正常化したが,残存播種は増大したため残存腫瘍...
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Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2015/12/20, Vol.51(7), pp.1214-1219 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | Growing teratoma syndrome(以下GTS)は非精細胞性胚細胞性腫瘍の化学療法施行中や施行後に腫瘍増大を示すも腫瘍マーカーは正常値で,病理学的は成熟奇形腫となる病態である.我々は卵巣原発の未熟奇形腫の術後,腹膜播種の化学療法後に成熟成分が増大したGTS に1 例を経験した.症例は11 歳女児.直径270 mm の腹部腫瘍を認め,卵巣未熟奇形腫と術前診断した.手術所見では右卵巣腫瘍を認め,腹腔内には転移播種が認められたため,右卵巣摘出術および付属器切除術を施行した.病理組織学的には未熟奇形腫であった.術後化学療法にて血清AFP 値は正常化したが,残存播種は増大したため残存腫瘍の減量術を施行し,病理組織学所見よりGTS と診断した.GTS は未熟奇形腫において稀に認められる病態であり,播種部位切除の完全切除困難な症例に関しては複数回の手術を余儀なくされる.自験例に根治切除困難例の治療方針および予後に対する考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.51.7_1214 |