腟原発卵黄囊腫瘍の乳児例

卵黄囊腫瘍(yolk sac tumor)は3 歳以下の乳幼児に好発する悪性胚細胞腫瘍で,化学療法と手術療法により良好な予後が得られる.症例は,8 か月女児.オムツ内への出血を契機に骨盤内腫瘤を指摘された.画像上,原発部位が膣か子宮頸部かを特定できなかったが,AFP の上昇および開腹腫瘍生検の病理組織所見からyolk sac tumor と診断した.シスプラチン,エトポシド,ブレオマイシンの3 剤併用療法により腫瘍は縮小し,腟鏡および腟造影検査で腫瘍が膣原発であることを確認した.その後,妊孕性を担保するために膣温存腫瘍核出術を行い,術後にビンブラスチン,イフォスファミド,シスプラチンの3 剤併...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2015/12/20, Vol.51(7), pp.1164-1167
Hauptverfasser: 溝田, 陽子, 久守, 孝司, 仲田, 惣一, 田島, 義証
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:卵黄囊腫瘍(yolk sac tumor)は3 歳以下の乳幼児に好発する悪性胚細胞腫瘍で,化学療法と手術療法により良好な予後が得られる.症例は,8 か月女児.オムツ内への出血を契機に骨盤内腫瘤を指摘された.画像上,原発部位が膣か子宮頸部かを特定できなかったが,AFP の上昇および開腹腫瘍生検の病理組織所見からyolk sac tumor と診断した.シスプラチン,エトポシド,ブレオマイシンの3 剤併用療法により腫瘍は縮小し,腟鏡および腟造影検査で腫瘍が膣原発であることを確認した.その後,妊孕性を担保するために膣温存腫瘍核出術を行い,術後にビンブラスチン,イフォスファミド,シスプラチンの3 剤併用療法を追加した.治療終了21 か月現在,再発を認めておらず経過良好である.膣原発yolk sac tumor は化学療法反応性が良好であり,妊孕性に配慮した膣温存手術により対処できる可能性がある.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.51.7_1164