ATR-X 症候群に発症した横行結腸軸捻転症の1例

横行結腸軸捻転症はまれな結腸捻転症の1 つであるが,小児例においては脳性麻痺や精神運動発達遅滞児の占める割合が高いことが知られている.我々はATR-X 症候群に発症した横行結腸軸捻転症の1 例を経験した.症例は17 歳,男児.3 歳時にATR-X 症候群と診断された.腹部膨満,経口摂取不良のため緊急入院となった.下部消化管造影検査にて横行結腸左側で造影剤の途絶を認め,CT にて横行結腸軸捻転と診断.経肛門的イレウス管にて減圧を試みるも捻転解除には至らず,緊急開腹術を行った.横行結腸は著明に拡張し,腸間膜を軸として180 度捻転していた.捻転部の横行結腸を切除し人工肛門を造設した.術後経過は良好...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2015/04/20, Vol.51(2), pp.240-245
Hauptverfasser: 出口, 幸一, 曺, 英樹, 米田, 光宏, 田附, 裕子, 山中, 宏晃, 野村, 元成, 松浦, 玲, 福澤, 正洋
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:横行結腸軸捻転症はまれな結腸捻転症の1 つであるが,小児例においては脳性麻痺や精神運動発達遅滞児の占める割合が高いことが知られている.我々はATR-X 症候群に発症した横行結腸軸捻転症の1 例を経験した.症例は17 歳,男児.3 歳時にATR-X 症候群と診断された.腹部膨満,経口摂取不良のため緊急入院となった.下部消化管造影検査にて横行結腸左側で造影剤の途絶を認め,CT にて横行結腸軸捻転と診断.経肛門的イレウス管にて減圧を試みるも捻転解除には至らず,緊急開腹術を行った.横行結腸は著明に拡張し,腸間膜を軸として180 度捻転していた.捻転部の横行結腸を切除し人工肛門を造設した.術後経過は良好で15 日目に経口摂取を再開した.術後6 か月の現在,良好なQOL を得ている.心身障害児の急性腹症では発見や診断が難しく重症化することが少なくない.心身障害児のイレウスにおいては,横行結腸軸捻転症も念頭に積極的に検索を行うことが重要である.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.51.2_240