腹腔鏡による検索が有用であった小腸Peutz-Jeghers 型ポリープによる腸重積の1 例

症例は9 歳男児.3 か月前より全身倦怠感を自覚し近医で貧血を指摘された.画像診断にて小腸重積を疑ったが,イレウス所見がないことから腹腔内腫瘍も否定できず腹腔鏡補助下に手術を 施行した.Treitz 靭帯より約60 cm の空腸に小腸重積を認め小腸部分切除を行った.先進部に2 cm 大のIsp ポリープを認め組織学的にPeutz-Jeghers 症候群で見られるポリープと同様の過誤腫であった.術後の上下部内視鏡検査および小腸造影では他にポリープは認めず,皮膚・粘膜の色素沈着や遺伝性のないPeutz-Jeghers 型ポリープと診断した.小児のPeutz-Jeghers 型ポリープの報告は稀であ...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2014/10/20, Vol.50(6), pp.1048-1052
Hauptverfasser: 鈴木, 啓介, 古村, 眞, 寺脇, 幹, 小高, 哲郎, 佐竹, 亮介, 池袋, 賢一, 米川, 浩伸, 菊地, 淳, 佐々木, 惇, 川嶋, 寛
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は9 歳男児.3 か月前より全身倦怠感を自覚し近医で貧血を指摘された.画像診断にて小腸重積を疑ったが,イレウス所見がないことから腹腔内腫瘍も否定できず腹腔鏡補助下に手術を 施行した.Treitz 靭帯より約60 cm の空腸に小腸重積を認め小腸部分切除を行った.先進部に2 cm 大のIsp ポリープを認め組織学的にPeutz-Jeghers 症候群で見られるポリープと同様の過誤腫であった.術後の上下部内視鏡検査および小腸造影では他にポリープは認めず,皮膚・粘膜の色素沈着や遺伝性のないPeutz-Jeghers 型ポリープと診断した.小児のPeutz-Jeghers 型ポリープの報告は稀であり,腹腔鏡補助下の手術は自験例が本邦初である.Peutz-Jeghers 型ポリープは腸重積症で発症することが多いが,腸管の重積が不完全な場合にはイレウスを呈しないこともあり,その場合は腹腔鏡による診断治療が有用と言える.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.50.6_1048