感染後の経過観察中に小腸捻転を併発した腸間膜リンパ管腫の2 例

今回我々は,感染による初発後の経過観察中に小腸捻転を併発した腸間膜リンパ管腫の2 例を経験したので報告する.症例1 は4 歳3 か月男児.腹膜炎症状で発症し,感染性腹腔内リンパ管腫と診断され,抗生剤治療が行われた.症状が軽快したため経過観察としたが,その4 か月後に小腸捻転に伴う絞扼性イレウスを発症した.緊急開腹術を施行し,回腸合併切除で病変を全摘した.症例2 は3 歳7 か月女児.感染で発症し前医で保存的に加療され,症状が消失した後に当科紹介となった.その2 か月後の手術待機中に小腸捻転を併発し,緊急開腹術を行い,囊胞周囲の空腸を一塊として全摘した.腸間膜リンパ管腫は,捻転のリスクがあり,特...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2014/04/20, Vol.50(2), pp.263-266
Hauptverfasser: 金, 聖和, 文野, 誠久, 樋口, 恒司, 青井, 重善, 古川, 泰三, 木村, 修, 田尻, 達郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:今回我々は,感染による初発後の経過観察中に小腸捻転を併発した腸間膜リンパ管腫の2 例を経験したので報告する.症例1 は4 歳3 か月男児.腹膜炎症状で発症し,感染性腹腔内リンパ管腫と診断され,抗生剤治療が行われた.症状が軽快したため経過観察としたが,その4 か月後に小腸捻転に伴う絞扼性イレウスを発症した.緊急開腹術を施行し,回腸合併切除で病変を全摘した.症例2 は3 歳7 か月女児.感染で発症し前医で保存的に加療され,症状が消失した後に当科紹介となった.その2 か月後の手術待機中に小腸捻転を併発し,緊急開腹術を行い,囊胞周囲の空腸を一塊として全摘した.腸間膜リンパ管腫は,捻転のリスクがあり,特に感染などの急性腹症発症例では診断後に可及的早期の外科的治療を予定する必要があると考えられた.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.50.2_263