穿孔性虫垂炎における手術部位感染に対する創洗浄の有効性と,埋没皮下縫合の安全性についての検討

【目的】創洗浄の手術部位感染(創感染)予防に対する有効性と埋没皮下縫合の安全性について検討した. 【方法】2005 年から2011 年までに手術を行った15 歳以下の虫垂穿孔52 例に対し創洗浄を行い,創洗浄を行っていなかった2002 年から2004 年までの13 例と比較した.皮膚の縫合は全層結節縫合で行っていたが,創洗浄開始後は手術部位感染を起こさない症例が続いたため,2006年9 月からは埋没皮下縫合で閉創した. 【結果】創洗浄を行った群の手術部位感染は2 例(3.8%)で,創洗浄を行わなかった群の4 例(31%)に対して有意に(P=0.0123)少なかった.創洗浄を行った52 例のうち...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2013/10/20, Vol.49(6), pp.1082-1086
1. Verfasser: 城田, 千代栄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】創洗浄の手術部位感染(創感染)予防に対する有効性と埋没皮下縫合の安全性について検討した. 【方法】2005 年から2011 年までに手術を行った15 歳以下の虫垂穿孔52 例に対し創洗浄を行い,創洗浄を行っていなかった2002 年から2004 年までの13 例と比較した.皮膚の縫合は全層結節縫合で行っていたが,創洗浄開始後は手術部位感染を起こさない症例が続いたため,2006年9 月からは埋没皮下縫合で閉創した. 【結果】創洗浄を行った群の手術部位感染は2 例(3.8%)で,創洗浄を行わなかった群の4 例(31%)に対して有意に(P=0.0123)少なかった.創洗浄を行った52 例のうち全層結節縫合で閉創したのは15 例,埋没皮下縫合は37 例で,1 例ずつに手術部位感染が認められ有意差はなかった. 【結論】創洗浄は,穿孔性虫垂炎の手術部位感染予防として有効であり,埋没皮下縫合での閉創は手術部位感染のリスクにはならないと思われた.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.49.6_1082