KTP レーザー焼灼を併用して喉頭気管形成術を施行した先天性声門下腔狭窄症の1例

先天性声門下腔狭窄症は輪状軟骨の異常な肥厚に起因したまれな疾患である.今回我々は肋軟骨グラフトを用いた喉頭気管形成術を施行し,従来は有効でないとされていたKTP レーザーを用いて肥厚した輪状軟骨を局所的に術野焼灼し,輪状軟骨部の内腔を開大させた.またこのときレティナを用いて気管切開孔を温存し,術後55 日目に抜去した後,良好な経過をたどり術後1 年2 か月で気管切開孔を閉鎖した. このことより,KTP レーザーによる病変部の局所的な焼灼は,肥厚した輪状軟骨に起因した先天性声門下狭窄症に対して有効かつ安全な治療手段になり得ると考えられた.また喉頭気管形成術におけるレティナによる気管切開孔の温存は...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2013/04/20, Vol.49(2), pp.251-255
Hauptverfasser: 岡本, 光正, 西島, 栄治, 横井, 暁子, 中尾, 真, 尾藤, 祐子, 荒井, 洋志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:先天性声門下腔狭窄症は輪状軟骨の異常な肥厚に起因したまれな疾患である.今回我々は肋軟骨グラフトを用いた喉頭気管形成術を施行し,従来は有効でないとされていたKTP レーザーを用いて肥厚した輪状軟骨を局所的に術野焼灼し,輪状軟骨部の内腔を開大させた.またこのときレティナを用いて気管切開孔を温存し,術後55 日目に抜去した後,良好な経過をたどり術後1 年2 か月で気管切開孔を閉鎖した. このことより,KTP レーザーによる病変部の局所的な焼灼は,肥厚した輪状軟骨に起因した先天性声門下狭窄症に対して有効かつ安全な治療手段になり得ると考えられた.また喉頭気管形成術におけるレティナによる気管切開孔の温存は,安定した気道確保に有用であることが示唆された.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.49.2_251