乳児期に消化管穿孔で発症し牛乳アレルギーが疑われた1 例
症例は,在胎33 週6 日,切迫早産と横位のため帝王切開にて出生した男児.出生体重は2,210 g で,母乳栄養のみで発育は良好であった.52 生日,突然の発熱があり,53 生日に腹部レ線でfree air が認められ,当科搬送後緊急開腹術を受けた.消化管穿孔部位は不明で,腹腔内洗浄のみを施行したが,術後経過に問題なく退院.しかし,86 生日に麻痺性イレウスのため再入院となった.保存的治療にて改善したが哺乳再開5 日後にイレウスが再燃した.これら腹部症状発生数日前に母親の牛乳や生クリームの摂取歴があり,牛乳アレルギーが疑われ,IgE 抗体検査・アレルゲン特異的リンパ球刺激試験を施行したが陰性で...
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Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2013/04/20, Vol.49(2), pp.231-235 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は,在胎33 週6 日,切迫早産と横位のため帝王切開にて出生した男児.出生体重は2,210 g で,母乳栄養のみで発育は良好であった.52 生日,突然の発熱があり,53 生日に腹部レ線でfree air が認められ,当科搬送後緊急開腹術を受けた.消化管穿孔部位は不明で,腹腔内洗浄のみを施行したが,術後経過に問題なく退院.しかし,86 生日に麻痺性イレウスのため再入院となった.保存的治療にて改善したが哺乳再開5 日後にイレウスが再燃した.これら腹部症状発生数日前に母親の牛乳や生クリームの摂取歴があり,牛乳アレルギーが疑われ,IgE 抗体検査・アレルゲン特異的リンパ球刺激試験を施行したが陰性であった.その後,乳製品制限母乳での栄養を行い,以後順調に経過している.消化管アレルギーは乳児期の消化管穿孔の原因となり,特異的検査でも陰性となることがあり,詳細な病歴聴取が診断に重要である. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.49.2_231 |