術前に回腸腫瘍を疑われた, 異所性胃粘膜を先進部とした腸重積症の1例
症例は生来健康な9 歳8 か月の男児.頻回の嘔吐と間歇的腹痛を主訴に紹介受診し,腸重積症と診断.ただちに超音波併用の注腸整復を行ったが明らかな器質的病変は検出できなかった.整復後も腸重積再発を認め,その都度注腸整復を行った.4 回目の整復後に腸管内腔に造影剤を満たした状態でCT を施行したところ回腸内腔に腫瘤性病変を認めたため,器質的な回腸病変による腸重積症と判断し,腹腔鏡補助下に手術を施行した.2 ポートで腹腔内を観察したが病変は同定できなかった.臍から小腸を引き出して観察すると,回盲弁から約50 cm の回腸に病変を触知したため,同部位を含めた小腸部分切除を施行した.病理検査にて,メッケル...
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Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2013/04/20, Vol.49(2), pp.225-230 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は生来健康な9 歳8 か月の男児.頻回の嘔吐と間歇的腹痛を主訴に紹介受診し,腸重積症と診断.ただちに超音波併用の注腸整復を行ったが明らかな器質的病変は検出できなかった.整復後も腸重積再発を認め,その都度注腸整復を行った.4 回目の整復後に腸管内腔に造影剤を満たした状態でCT を施行したところ回腸内腔に腫瘤性病変を認めたため,器質的な回腸病変による腸重積症と判断し,腹腔鏡補助下に手術を施行した.2 ポートで腹腔内を観察したが病変は同定できなかった.臍から小腸を引き出して観察すると,回盲弁から約50 cm の回腸に病変を触知したため,同部位を含めた小腸部分切除を施行した.病理検査にて,メッケル憩室を伴わない異所性胃粘膜と診断された. 本疾患の術前診断は困難で,初回手術時に器質的病変が同定されずに複数回手術を施行されることが多い.そのため,術中は注意深い観察が重要であり,器質的な腸重積の原因として本疾患も念頭におく必要がある. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.49.2_225 |