多発性気腫性肺嚢胞と線維化を合併し,最終的に肺移植に至った小児続発性気胸の1例
小児気胸は稀な疾患であるが,多くは気腫性肺嚢胞の切除や原疾患の治療により治癒する.しかし我々は今回,両側気胸で発症し,その後急速に気腫性肺嚢胞と線維化の進行を認め最終的に生体肺移植に至った症例を経験した.病理組織学的診断はnon-specific interstitial pneumoniaであった.一般的に気胸では外科治療が主体であるが,間質性肺炎では内科的治療が主となる.間質性肺炎が基礎にある気胸症例において,気胸治療のみで治療が終了とならないよう,治療開始に際しては原疾患の有無の検索は重要である.また,間質性肺炎では,稀ではあるものの本症例のように生体肺移植にまで至る症例がある.気胸治療...
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Veröffentlicht in: | 日本小児外科学会雑誌 2012/02/20, Vol.48(1), pp.50-55 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 小児気胸は稀な疾患であるが,多くは気腫性肺嚢胞の切除や原疾患の治療により治癒する.しかし我々は今回,両側気胸で発症し,その後急速に気腫性肺嚢胞と線維化の進行を認め最終的に生体肺移植に至った症例を経験した.病理組織学的診断はnon-specific interstitial pneumoniaであった.一般的に気胸では外科治療が主体であるが,間質性肺炎では内科的治療が主となる.間質性肺炎が基礎にある気胸症例において,気胸治療のみで治療が終了とならないよう,治療開始に際しては原疾患の有無の検索は重要である.また,間質性肺炎では,稀ではあるものの本症例のように生体肺移植にまで至る症例がある.気胸治療の一つに胸膜癒着術があるが,生体肺移植の肺摘出時には,癒着により出血の増加や手術時間の延長を招く可能性があり,間質性肺炎を基礎に持つ気胸の治療では,胸膜癒着術は適応について慎重に判断すべきである. |
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ISSN: | 0288-609X 2187-4247 |
DOI: | 10.11164/jjsps.48.1_50 |