膀胱尿管逆流症を合併した下大静脈後尿管の1例

症例は4か月男児.発熱のため受診し,尿路感染症と診断された.超音波および造影CT検査で両側腎盂の拡張を認めた.排尿時膀胱尿道造影で両側膀胱尿管逆流を認めたが右腎盂は造影されなかった.抗生剤投与を行うも白血球およびCRP高値が続いたため,経皮的右腎外瘻造設術を行ったところ,速やかに改善した.腎外瘻よりの順行性造影で右上部尿管狭窄を確認した.腎外瘻造設により尿路感染症が改善したことより,まず尿管狭窄の解除が必要と判断し,手術を行った.術中所見で下大静脈後尿管と診断し,腎盂尿管吻合術を行った.術後1か月で尿路感染症が再発したため,両側膀胱尿管逆流症に対する手術も行った.その後,尿路感染症の再発はみら...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2010/12/20, Vol.46(7), pp.1130-1135
Hauptverfasser: 田崎, 達也, 市川, 徹, 山岡, 裕明, 金廣, 哲也, 津村, 裕昭, 日野, 裕史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は4か月男児.発熱のため受診し,尿路感染症と診断された.超音波および造影CT検査で両側腎盂の拡張を認めた.排尿時膀胱尿道造影で両側膀胱尿管逆流を認めたが右腎盂は造影されなかった.抗生剤投与を行うも白血球およびCRP高値が続いたため,経皮的右腎外瘻造設術を行ったところ,速やかに改善した.腎外瘻よりの順行性造影で右上部尿管狭窄を確認した.腎外瘻造設により尿路感染症が改善したことより,まず尿管狭窄の解除が必要と判断し,手術を行った.術中所見で下大静脈後尿管と診断し,腎盂尿管吻合術を行った.術後1か月で尿路感染症が再発したため,両側膀胱尿管逆流症に対する手術も行った.その後,尿路感染症の再発はみられない.下大静脈後尿管は緩徐に水腎症が進行するため,小児での診断例は少ないとされてきた.本症例は両側膀胱尿管逆流症を合併していたことから,乳児期より尿路感染症をきたし,診断できた極めて稀な病態である.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.46.7_1130