幼児胸壁過誤腫の1例

症例は1歳5か月の男児.偶然,胸部単純X線で左下肺野の異常陰影を指摘され本院に入院.呼吸器症状,疹痛などは認めず.触診にて左下胸壁に軽度の膨隆を認めた.胸部MRI, CTにて,胸壁に左第8肋骨の破壊像を伴う長径5cmの石灰化像を認め,肋骨原発の過誤腫と術前診断した.手術所見では,左第8肋骨から胸腔内へ突出する腫瘤を認めた.肺との癒着なく,境界明瞭,肋間筋への進展は認めず,左第8肋骨の一部を含めた腫瘍全摘術を施行した.病理組織学的には骨様の組織増殖を認めたが異常増殖傾向は認めず,肋骨原発の胸壁間葉性過誤腫と診断された.本疾患は極めて稀な疾患であり,日本でも本症例を含めて14例の報告があるのみであ...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2009/06/20, Vol.45(4), pp.733-738
Hauptverfasser: 坂本, 好昭, 広部, 誠一, 東間, 未来, 小森, 広嗣, 吉元, 和彦, 桝屋, 隆太, 鎌形, 正一郎, 森川, 征彦, 林, 奐
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は1歳5か月の男児.偶然,胸部単純X線で左下肺野の異常陰影を指摘され本院に入院.呼吸器症状,疹痛などは認めず.触診にて左下胸壁に軽度の膨隆を認めた.胸部MRI, CTにて,胸壁に左第8肋骨の破壊像を伴う長径5cmの石灰化像を認め,肋骨原発の過誤腫と術前診断した.手術所見では,左第8肋骨から胸腔内へ突出する腫瘤を認めた.肺との癒着なく,境界明瞭,肋間筋への進展は認めず,左第8肋骨の一部を含めた腫瘍全摘術を施行した.病理組織学的には骨様の組織増殖を認めたが異常増殖傾向は認めず,肋骨原発の胸壁間葉性過誤腫と診断された.本疾患は極めて稀な疾患であり,日本でも本症例を含めて14例の報告があるのみである.また術前の画像診断で診断しえた例は少なく,その画像所見,鑑別疾患に関して文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.45.4_733