先天性十二指腸膜様狭窄に対して内視鏡的膜切開・拡張術を施行した1例

症例は1歳4か月の男児.新生児期より嘔吐を認めていたが,発育はほぼ順調であった.上部消化管造影で十二指腸下行脚の狭窄を認めた.内視鏡上,十二指腸下行脚にpinhole状の狭窄部を認めたが,Vater乳頭は確認できなかった.家族は開腹手術を拒否し,内視鏡的治療を選択した.バルーンで膜様狭窄部を挙上しながら針型パピロトームで2時・5時方向を切開し,さらにバルーン拡張を加えた.術後固形食の摂取が可能となったが,術後2か月ごろから嘔吐が再発し,ダイアモンド吻合術を施行した.先天性十二指腸膜様狭窄に対する内視鏡的治療は報告が少なく,その適応や術式については試行の段階にある.今回,我々は内視鏡的治療施行例...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2008/04/20, Vol.44(2), pp.162-166
Hauptverfasser: 渡辺, 稔彦, 中野, 美和子, 遠藤, 昌夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は1歳4か月の男児.新生児期より嘔吐を認めていたが,発育はほぼ順調であった.上部消化管造影で十二指腸下行脚の狭窄を認めた.内視鏡上,十二指腸下行脚にpinhole状の狭窄部を認めたが,Vater乳頭は確認できなかった.家族は開腹手術を拒否し,内視鏡的治療を選択した.バルーンで膜様狭窄部を挙上しながら針型パピロトームで2時・5時方向を切開し,さらにバルーン拡張を加えた.術後固形食の摂取が可能となったが,術後2か月ごろから嘔吐が再発し,ダイアモンド吻合術を施行した.先天性十二指腸膜様狭窄に対する内視鏡的治療は報告が少なく,その適応や術式については試行の段階にある.今回,我々は内視鏡的治療施行例をレビューし,内視鏡的治療の成績について検討した.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.44.2_162