C型食道閉鎖症に合併した右主気管支食道起始症の1例

症例は日齢0の男児.在胎期より羊水過多を認めていた.出生後泡沫状嘔吐を呈し,胸部レントゲン検査にてcoil up像を認めた.C型食道閉鎖症と診断し,一期的根治術を施行した.術中より呼吸不全状態となり,術直後の胸部レントゲン検査で右無気肺を認めた.その後も呼吸状態が改善せず,術後2日目に死亡した,剖検にてC型食道閉鎖に合併した右主気管支食道起始症であることが判明した.また左気管支の高度狭窄を認め,呼吸維持には気管食道瘻(TEF)を介する右肺の換気が重要だったと推測された.右主気管支食道起始症は稀な疾患であり種々の合併奇形を伴う.食道奇形には気管・気管支奇形を伴うことがあるが,両者の合併を考える際...

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Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2007/10/20, Vol.43(6), pp.775-779
Hauptverfasser: 押部, 郁朗, 伊勢, 一哉, 柳沼, 裕嗣, 渡辺, 綾子, 吉野, 泰啓, 後藤, 満一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は日齢0の男児.在胎期より羊水過多を認めていた.出生後泡沫状嘔吐を呈し,胸部レントゲン検査にてcoil up像を認めた.C型食道閉鎖症と診断し,一期的根治術を施行した.術中より呼吸不全状態となり,術直後の胸部レントゲン検査で右無気肺を認めた.その後も呼吸状態が改善せず,術後2日目に死亡した,剖検にてC型食道閉鎖に合併した右主気管支食道起始症であることが判明した.また左気管支の高度狭窄を認め,呼吸維持には気管食道瘻(TEF)を介する右肺の換気が重要だったと推測された.右主気管支食道起始症は稀な疾患であり種々の合併奇形を伴う.食道奇形には気管・気管支奇形を伴うことがあるが,両者の合併を考える際にbronchopulmonary foregut malformation (BPFM)という概念が有用であると思われた.合併奇形の検索においては,CTとその3D再構築が有用であると思われた.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.43.6_775