作業的挑戦と精神的健康状態の評価を通じて介入を修正し多職種で復職を支援した高校教師の事例

「要旨」:本報告は, 回復期リハビリテーション病棟にて, 外傷性くも膜下出血を呈した事例に対して教師への復職を目標に多職種で支援を行った介入経過である. 作業療法では担当作業療法士や, 他の職員を生徒役とした授業や, 小テストの作成と添削, 通勤や授業時間を想定した訓練時間の調整など, 復職を想定した介入を行った. 経過の中で, 精神的な落ち込みや悲観的な発言があったため, 作業的挑戦尺度と一般健康調査票日本語版短縮版を使用しながら評価と分析を行い, 面接を通して復職に関連した作業の抽出や不安事項などを整理した. そして, 授業の様子や面接で得られた情報を多職種で共有し, 各職種の専門性を活か...

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Veröffentlicht in:日本臨床作業療法研究 2023, Vol.10 (1), p.13-19
Hauptverfasser: 小池真愛, 田原正俊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:本報告は, 回復期リハビリテーション病棟にて, 外傷性くも膜下出血を呈した事例に対して教師への復職を目標に多職種で支援を行った介入経過である. 作業療法では担当作業療法士や, 他の職員を生徒役とした授業や, 小テストの作成と添削, 通勤や授業時間を想定した訓練時間の調整など, 復職を想定した介入を行った. 経過の中で, 精神的な落ち込みや悲観的な発言があったため, 作業的挑戦尺度と一般健康調査票日本語版短縮版を使用しながら評価と分析を行い, 面接を通して復職に関連した作業の抽出や不安事項などを整理した. そして, 授業の様子や面接で得られた情報を多職種で共有し, 各職種の専門性を活かしながら支援を行った. 介入後, 事例は復職への自信と価値観の変容を語り, 職場の協力のもと就業環境が調整された上で, 教師への復職を果たした. 今回の介入を通して, 復職支援で作業的挑戦尺度を使用することは, 個人的, 環境的側面から事例の仕事という作業への向き合い方を整理することや, 支援者の介入の方向づけをしていく上で有用であることが示唆された.
ISSN:2188-8418