本人にとって重要な作業に対する自己効力感の変化に着目したことで目的や意味のある作業に従事することができた事例

「要旨」:自己効力感は作業療法の哲学に通じる概念で, その構成概念である効力予期と結果予期の相互作用により対象者の行動が決定される. また, 目標設定を伴うリハビリテーションにより, 対象者の自己効力感を高めることができるとされている. 今回, 療法士が共有した目標である復職を目指す対象者に対して, デイサービス利用の過程で自己効力感の変化に着目して介入した. 身体機能の改善を目的とした介入の過程において療法士は, 目標とする作業に関連付けたフィードバックや訓練の自主トレーニングの指導を行った. その結果, 身体の痛みの軽減や身体機能の改善がみられたと同時に, 復職に対する自己効力感が高まり,...

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Veröffentlicht in:日本臨床作業療法研究 2021, Vol.8 (1), p.88-94
Hauptverfasser: 猿爪優輝, 高橋香代子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:自己効力感は作業療法の哲学に通じる概念で, その構成概念である効力予期と結果予期の相互作用により対象者の行動が決定される. また, 目標設定を伴うリハビリテーションにより, 対象者の自己効力感を高めることができるとされている. 今回, 療法士が共有した目標である復職を目指す対象者に対して, デイサービス利用の過程で自己効力感の変化に着目して介入した. 身体機能の改善を目的とした介入の過程において療法士は, 目標とする作業に関連付けたフィードバックや訓練の自主トレーニングの指導を行った. その結果, 身体の痛みの軽減や身体機能の改善がみられたと同時に, 復職に対する自己効力感が高まり, 目標が達成された. さらに, 社会参加としての作業の遂行状況に変化が見られ, 本人の主観的な生活の質の改善が確認された. 本事例より, リハビリテーションにおける対象者にとって重要な作業に対する自己効力感の変化に着目することの重要性が示唆された.
ISSN:2188-8418