多彩な臨床症状を呈した感染性心内膜炎の二症例
「要旨」症例1は73歳, 女性. 不明熱のため消化器科に精査入院した. 血液培養で溶連菌が検出され, 突然呼吸困難感と血圧低下が出現したため当科へ転科した. 心尖部領域の収縮期雑音と, 心エコーにより僧帽弁前尖の疣贅を確認し, IEと診断した. 僧帽弁置換術が施行された. 症例2は32歳, 女性. 左大腿痛, 全身倦怠感が強く来院した. 胸部X線で心拡大が著明で, 心雑音を聴取した. 静脈血培養より溶連菌が検出. 腹部CTで脾臓梗塞, 心エコーで大動脈弁, 僧帽弁, 三尖弁に疣贅の存在と重症の弁逆流が確認されIEとそれによる全身性塞栓症と診断した. 心臓血管外科で弁置換術を施行した. 「はじめ...
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Veröffentlicht in: | 市立室蘭総合病院医誌 2006-12, Vol.31 (1), p.12-16 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」症例1は73歳, 女性. 不明熱のため消化器科に精査入院した. 血液培養で溶連菌が検出され, 突然呼吸困難感と血圧低下が出現したため当科へ転科した. 心尖部領域の収縮期雑音と, 心エコーにより僧帽弁前尖の疣贅を確認し, IEと診断した. 僧帽弁置換術が施行された. 症例2は32歳, 女性. 左大腿痛, 全身倦怠感が強く来院した. 胸部X線で心拡大が著明で, 心雑音を聴取した. 静脈血培養より溶連菌が検出. 腹部CTで脾臓梗塞, 心エコーで大動脈弁, 僧帽弁, 三尖弁に疣贅の存在と重症の弁逆流が確認されIEとそれによる全身性塞栓症と診断した. 心臓血管外科で弁置換術を施行した. 「はじめに」感染性心内膜炎(IE)の臨床症状は多彩であるが特異的な症状はなく, 現在でも致命率の高い疾患である. 罹患率は年間10万人当たり1.7~4.2人と低いために鑑別診断から除外しがちになり, 早期診断から適切な治療へと結びつけることは容易ではない. |
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ISSN: | 0289-2774 |