著明な白血球増加を呈したQ熱の一例

「要旨」著明な白血球増加を認めたQ熱の一例を経験した. 症例は4歳男児. 咳嗽・発熱を主訴に受診, 胸部X線で肺炎像を認め入院となった. 入院時検査で白血球数46700/μlと著しい増加を認めた. 抗菌剤投与により解熱し血液検査所見も改善した. Coxiella burnetii(Cb)の血清抗体価がペア血清で4倍以上の上昇を認め, Q熱と診断した. 「はじめに」Q熱はコクシエラ属の偏性細胞寄生菌Cbの感染によっておこる人畜共通感染症である. その病名は1935年オーストラリアの屠畜場で集団発生した原因不明の熱性疾患"Query fever"に由来しており, 現在では広く世...

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Veröffentlicht in:市立室蘭総合病院医誌 2005-11, Vol.30 (1), p.39-42
Hauptverfasser: 近藤謙次, 酒井好幸, 畠山欣也, 東海林黎吉, 小宮智義
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」著明な白血球増加を認めたQ熱の一例を経験した. 症例は4歳男児. 咳嗽・発熱を主訴に受診, 胸部X線で肺炎像を認め入院となった. 入院時検査で白血球数46700/μlと著しい増加を認めた. 抗菌剤投与により解熱し血液検査所見も改善した. Coxiella burnetii(Cb)の血清抗体価がペア血清で4倍以上の上昇を認め, Q熱と診断した. 「はじめに」Q熱はコクシエラ属の偏性細胞寄生菌Cbの感染によっておこる人畜共通感染症である. その病名は1935年オーストラリアの屠畜場で集団発生した原因不明の熱性疾患"Query fever"に由来しており, 現在では広く世界に分布していることが知られている. Q熱の臨床症状は多彩であるが発熱, 頭痛, 筋肉痛, 関節痛, 全身倦怠感などインフルエンザ様症状で始まり, 肺炎, 肝炎となることもある. 血液検査所見はCRP, 肝逸脱酵素の上昇などであり白血球数は正常~軽度上昇とされている.
ISSN:0289-2774