経カテーテル的動脈管開存閉鎖術を施行した2例

「要旨」一定の大きさの動脈管開存をコイルを用いて経カテーテル的に閉鎖する試みが広く行われるようになってきている. 本年度, 当院にて2例の幼児に対し, 無症候性の動脈管開存の経カテーテル的閉鎖術を施行し, 合併症無く完全閉鎖を得た. 基礎疾患を持ち, 今後のMRI施行の可能性を残す例に対しては, 従来用いられているステンレス製ではなくプラチナ製着脱式コイルを本道で初めて使用した. 「はじめに」動脈管開存(以下, PDA)は比較的頻度の高い先天性心疾患である. 治療法として, 未熟児にはまず薬物療法が選択される. 薬物療法で閉鎖しないPDAや成熟児及び新生児期以後には経カテーテル的コイル閉鎖術も...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:市立室蘭総合病院医誌 2003-03, Vol.28 (1), p.47-51
Hauptverfasser: 春日亜衣, 酒井好幸, 富田英, 東海林黎吉, 朝倉光司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」一定の大きさの動脈管開存をコイルを用いて経カテーテル的に閉鎖する試みが広く行われるようになってきている. 本年度, 当院にて2例の幼児に対し, 無症候性の動脈管開存の経カテーテル的閉鎖術を施行し, 合併症無く完全閉鎖を得た. 基礎疾患を持ち, 今後のMRI施行の可能性を残す例に対しては, 従来用いられているステンレス製ではなくプラチナ製着脱式コイルを本道で初めて使用した. 「はじめに」動脈管開存(以下, PDA)は比較的頻度の高い先天性心疾患である. 治療法として, 未熟児にはまず薬物療法が選択される. 薬物療法で閉鎖しないPDAや成熟児及び新生児期以後には経カテーテル的コイル閉鎖術もしくは古典的な外科手術(離断術か結紮術)が, わが国では一般的に行われている. 近年, 複数のコイルを留置する方法や使用コイルの工夫で5-6mmのPDAまでにコイル閉鎖術の適応は拡大しており, 近い将来ほとんどのPDAはカテーテル治療の対象となっていくと考えられている.
ISSN:0289-2774